国家資格キャリアコンサルタント試験の論述試験が近づいてきましたので、第21回論述試験の解答例について公開したいと思います。

尚、解答例は正解を示すものではなく、また何らかの結果や効果を保証するものではありませんのであくまでもご参考としてご覧ください。また、『第21回論述試験(JCDA)レビュー』も併せてご覧頂ければ幸いです。

(第21回JCDA論述試験:解答例)
問い1
事例Ⅰは今の職場に配置されたこと、雰囲気がしっくりこないことなどの事柄に着目し、自分の価値観に基づいて「少しづつ慣れていく」と説得するなどキャリコン主体の応答になっている。一方、事例Ⅱは「課長からも注意されましたが・・・」という心の動きに着目、丁寧に状況を把握すると共に周囲を気にする感情にも配慮しながら現職場での行動基準となる考えに至った経験にも触れ、「どうしてそう思うの?」「煙たがられたくないから?」と自問自答を促すなど相談者主体の応答になっている。

問い2
事例Ⅰ:「相応しくない」
理由:相談者ご本人に焦点を当てること無く、「皆さん同じような気持ちになられる」と一般化した応答になっているため。

事例Ⅱ:「相応しい」
理由:相談者自身の考え方に強く影響している以前の職場での経験が語られたので、その考え方が現職場にも適応しうるものなのか否か内省を促す応答になっているため。

問い3
相談者は、以前役職定年になって配属されてきた先輩が上から目線で細かいことに次々口を出し煙たがられていた経験から、自分はあのようにはなりたくないと思っていた。そして、自分が役職定年となって現職場に配属された時、「役職定年者は煙たがられるようになってはいけない。声を掛けてもらうまで待つべき」と考え、職場に接した。しかし、この考え方は職場に相応しいものとは言えず、この考え方が相談者の問題だと思われる。

問い4
「言いたいことを言わず、出しゃばらないように抑えている。なんでそんな不自由なことをしているんだろう。」という気づきが得られたので、今後は職場に受け入れられ、自分の経験を活かしながら自由に前向きに仕事に取り組んでいくにはどのような考え方を持てばいいか、相談者と一緒に探していく。具体的には過去の経験を振返り、上から目線とは、細かいことに口を出すとは等細かく分析し、煙たがられず自由にコミュニケーションを取れるようにするにはどのように考え、どう行動していけば良いかを明確にしていく。
(以上)