キャリアコンサルタント Days of Life

キャリコン実践研究会

主訴

JCDA的「主訴」とは(考察)

JCDAで国家資格キャリアコンサルタント試験を受験しようという方にとって、「主訴」の把握は大きな課題です。ですが、「主訴」の明確な定義が示されているわけではなく、よく分からずに受験に臨むケースも多々あるような気がします。そこで、われわれなりに整理してみたいと思います。

JCDAの特徴は「来談目的」と「主訴」そして「問題」を区分していることです。

例えば、技能士2級試験も実施しているキャリアコンサルティング協議会では、ほとんど「主訴」という言葉は出てきません。その代わり「相談者が相談したい問題」という表現を使い、JCDAで言う来談目的に主訴を含めたような概念を示します。

では、どうしてJCDAでは主訴を取り上げ、来談目的や問題と区別しているのでしょう? そのルーツは『経験代謝』にあるのではないかと思います。『経験代謝』とはJCDAが行うキャリアコンサルティングの手法です。

『経験代謝』では、自己概念の成長を促すのがキャリアコンサルティングの役割であり、成長を妨げているもの(=否定的な自己概念を引き起こす偏った考え、価値観、経験の捉え方)が「問題」であるとしています。

では、その「問題」を突き止めるにはどうしたらいいのか?

「問題」はこころの奥に隠れていますのでなかなか見つけにくいものです。見つけにくいものなら「ヒント」を探すのが効果的ですが、そのひとつが「感情」ということになります。(自己概念の影)

「感情」は外部の刺激が引き金になって、その人の考えや価値観などの準拠枠によって引き起こされるものと考えられますから(善し悪しは別にして)「正直な気持ち=本音=訴えたいこと」ということになります。つまり、「問題」が火元だとすると「感情」は煙という訳です。

通常、こころの中ではいろいろな感情が湧き上がり複雑な心境を呈します。ですからその中でも「一番強い感情が『主訴』である」とわれわれは考えました。

では、「来談目的」と「主訴」を分けているのはなぜなのでしょう?

「来談目的」は相談者の問題意識であり主観的なもの、つまり、現状をどのように捉えているかを頭で考えたものです。従って、建前やこうありたいという願望も含まれてきますので「問題」の把握を一層難しくしてしまいます。自己概念の成長を妨げる人物特性に関わる問題にたどり着くためには、思考のバイアスを外したピュアな本音、こころの叫びとしての「感情」の把握がどうしても必要になります。ここに「来談目的」と「主訴」を分けた意味があると思われます。

主観的な問題意識と本当の問題が一致していれば「お仕事相談」で事足りるかもしれません。ですが、こころの中は複雑であり、悩みを抱える相談者の多くは経験の中に答が埋もれています。JCDAの出題はそんな事例がベースになっているのではないかと思います。

こうしたことから、「JCDAで取り上げる主訴」は「問題」とリンクしたものとなります。ですから、評価区分の記載は「主訴・問題の把握」になっているのでしょう。「主訴」と「問題」を別々のものとして切り離して捉えないよう十分注意してください。
 JCDAが考える「主訴」:主要な訴え=一番強い感情(当会の考え)
 JCDAが考える「問題」:人物特性に関わる考えや経験、価値観 

また、「感情」は言語面だけではなく、非言語面でも表現されるものです。逐語でしか出題されない「論述試験」で「主訴」が問われないのはこのためではないかと思います。


キャリアコンサルティング協議会には別のアプローチ/手法があります。どちらが正しいということではなく、キャリアコンサルティングにはいろいろなアプローチがあるということです。但し、受験段階では両者を混同/併用することだけは避けてください。学習の第一段階では手法を正しく理解し、習得することが大切です。

(ご参考)
キャリコン実践研究会HP
理論講座」: 5月19日(日)12:00~13:30
テキスト・サブテキスト

火のないところに

国家資格キャリアコンサルタント論述試験は、両機関とも従来の出題形式を踏襲しており、当会で論述対策を行った方にとっては解答しやすかったのではないかと思います。

さて、いよいよ面接試験ですね。

JCDAの評価区分3つの内のひとつ、「主訴・問題の把握」から面談対策について考えてみましょう。

「主訴」とは何か?

それは、文字通り、主な訴えということであり、一番訴えたいこと。こころの叫びのようなものと捉えてください。

「来談目的」が頭で考えたもので表層的なものだとすれば、「主訴」は内面的なもの、自分ではコントロールしにくい(従って、説明しにくい)「感情」と考えれば分かりやすいのではないかと思います。だから、受け止めて欲しい! それも無条件で。

では、「感情」はどこから生まれるのでしょう? ABC理論を待つまでもなく、それは考え、価値観、経験や信念に基づく「ものの見方」からですね。

「ものの見方」自体は個人特有のものですので良いも悪いもありません。ですが、ある状況に遭遇した時、ストレスを生み、自分を見失い、動けなくなってしまうほどのダメージを受け、こころの叫びとなって感情が発露しているとなったら・・・それは「極端なものの見方」つまり「思い込み」の仕業であり、それが「問題」ということになります。

よく、火のないところに煙は立たないと言われますが、「煙」が「主訴」で「火元」が「問題」と考えれば、両者の関係がよく見えてくると思います。


さて、面接への応用ですが、「感情」を掘り起こそうとしたり、分析しようとしてはいけません。

「感情」は「煙」であり、捕まえよう、明確にしようとしても手の中には殆ど残りません。インテーク面談の場合には「感情」は受け止めるだけ、反映するだけ、共感するだけでいいのです。

それよりもキャリコンとしてやることは「火元」を見つけることです。「火元」を見つける為には「煙」がサインになるという話で、「感情」を明確にすることが目的ではないことをしっかり認識してください。

「感情」を言葉で訊き出そうと質問に走っていませんか? 「感情」はそもそも言葉で理解するものではありません。感性、感受性で受け止めるものです。

そのためには、まず「煙」が立っている状況について語ってもらいましょう。どんな仕事(活動)をしているのか、どんな生活をしているのか、それをどんな表情で、どんな口調で、話してくれるのか。

これができれば「感情」を感じ取り「主訴」を見立てることが出来るはずです。そうすれば、その「主訴」はどこ(どんな「ものの見方」)からくるか、「火元」つまり「問題」に迫ることができると思います。

JCDA受験者はこうした点をしっかり整理しておいてください。

(ご参考)
キャリコン実践研究会
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