キャリアコンサルタント試験、JCDAの第24回論述試験の解答例を作ってみました。尚、解答例は正解を示すものではなく、また何らかの結果や効果を保証するものではありませんので、予めご承知おきください。
今回の事例は28歳の男性で、同期に後れを取り自信喪失している事例です。いつもの様に丁寧に共感を交えてお話を聴き、過去の経験からどんなものの見方をするようになっているのか、自己探索や内省、自問自答を促しながら面談を進めていくことが基本ですね。間違っても、安易な問題解決に流れてはいけません。
指定語句の頻出上位は、①「経験」10回、②「自己探索」「ものの見方」各8回、③「共感」7回、④「背景」6回目、ですが、今回はこのうち「背景」が出てきました。他の「決めつけ」「説得」は各々4回目、「自問自答」は5回目、「誘導」は2回目ですので、指定語句自体に違和感はなかったかと思います。
これら指定語句の理解は必須ですが、JCDAの考え方を象徴している語句ですので、解答に使ってもいいでしょう。
問い3、JCDAがとらえる相談者の「問題」は妥当性を欠く考え方(考え、ものの見方、枠組み、準拠枠、信念など)に現れます。そしてそれは過去の経験から相談者自身が自然に身につけてきたものが殆どです。それだけに自身では気づきにくく、どうしたら良いか分からなくなり、動けなくなってしまいがちです。ここにキャリアコンサルティングの出番がある訳ですね。
繰り返しになりますが、相談者の「問題」についての解答づくりは、相談者の考え方が強く表れているフレーズをしっかり捕まえ、その考え方はどんな経験から来ているのか、この構造を解明することから始まると思います。
相談者の「問題」は逐語の中から把握できます。しかしながら問い4は、記載された逐語の後の展開ですから、逐語を離れて(引き継いで)検討する必要がある点で多少厄介とも思えます。
しかしながら、妥当性を欠く考え方が相談者の行動を制限していたわけですから、妥当な考え方を新たに身につければ自ら行動していけるということになりますね。否定的な考え方であれば肯定的な考え方に、利己的な考え方であれば利他的な考え方に、とシンプルに考えてみましょう。
※睡眠不足は点数に大きく影響します。試験数日前から試験時間に合わせた体調管理と十分な睡眠を心掛けてください。
(第24回JCDA論述試験:解答例)
問い1
事例Ⅰは相談者と話がかみ合っていないと決めつけ、今後はプレゼンテーションスキルも必要と説得、そして「経験を積む必要がありますよ。」と誘導するなど事柄のみに着目して、安易に問題解決を図ろうとするなどコンサルタント主体の対応になっている。一方、事例Ⅱは「それはどういうことですか。」と相談者が置かれている背景に着目し、同期への焦りや心情も知ることができた。また、自信と知識・スキルとの関係を問い掛けることによって自問自答を促すなど相談者主体の対応になっている。両者にはこうした違いがある。
問い2
事例Ⅰ:「相応しくない」
理由:相談者から核心となる「周囲の評価と自信」について語られたので、更にその関係ついて内省を促す応答になっているため。
問い3
相談者のお話は「自信のない自分を隠そうとしているのかな・・・」というところで終わっているので、「そんな自分をどう思いますか。」と自分を客観視してみるよう促してみる。そうすることによって相談者の自己概念が浮かび上がってくるので、その点をまず明確にする。次に、「知識やスキル以外で本当に自信を得たことってありますか。」あるいは「何も隠そうとしていない自分ってどう思いますか。」などと問い掛け、肯定的なものの見方ができて自信を持って仕事に取り組んでいけるよう展開していく。
(以上)
今回の事例は28歳の男性で、同期に後れを取り自信喪失している事例です。いつもの様に丁寧に共感を交えてお話を聴き、過去の経験からどんなものの見方をするようになっているのか、自己探索や内省、自問自答を促しながら面談を進めていくことが基本ですね。間違っても、安易な問題解決に流れてはいけません。
指定語句の頻出上位は、①「経験」10回、②「自己探索」「ものの見方」各8回、③「共感」7回、④「背景」6回目、ですが、今回はこのうち「背景」が出てきました。他の「決めつけ」「説得」は各々4回目、「自問自答」は5回目、「誘導」は2回目ですので、指定語句自体に違和感はなかったかと思います。
これら指定語句の理解は必須ですが、JCDAの考え方を象徴している語句ですので、解答に使ってもいいでしょう。
問い3、JCDAがとらえる相談者の「問題」は妥当性を欠く考え方(考え、ものの見方、枠組み、準拠枠、信念など)に現れます。そしてそれは過去の経験から相談者自身が自然に身につけてきたものが殆どです。それだけに自身では気づきにくく、どうしたら良いか分からなくなり、動けなくなってしまいがちです。ここにキャリアコンサルティングの出番がある訳ですね。
繰り返しになりますが、相談者の「問題」についての解答づくりは、相談者の考え方が強く表れているフレーズをしっかり捕まえ、その考え方はどんな経験から来ているのか、この構造を解明することから始まると思います。
相談者の「問題」は逐語の中から把握できます。しかしながら問い4は、記載された逐語の後の展開ですから、逐語を離れて(引き継いで)検討する必要がある点で多少厄介とも思えます。
しかしながら、妥当性を欠く考え方が相談者の行動を制限していたわけですから、妥当な考え方を新たに身につければ自ら行動していけるということになりますね。否定的な考え方であれば肯定的な考え方に、利己的な考え方であれば利他的な考え方に、とシンプルに考えてみましょう。
※睡眠不足は点数に大きく影響します。試験数日前から試験時間に合わせた体調管理と十分な睡眠を心掛けてください。
(第24回JCDA論述試験:解答例)
問い1
事例Ⅰは相談者と話がかみ合っていないと決めつけ、今後はプレゼンテーションスキルも必要と説得、そして「経験を積む必要がありますよ。」と誘導するなど事柄のみに着目して、安易に問題解決を図ろうとするなどコンサルタント主体の対応になっている。一方、事例Ⅱは「それはどういうことですか。」と相談者が置かれている背景に着目し、同期への焦りや心情も知ることができた。また、自信と知識・スキルとの関係を問い掛けることによって自問自答を促すなど相談者主体の対応になっている。両者にはこうした違いがある。
問い2
事例Ⅰ:「相応しくない」
理由:「考えたのですが・・。」と疑問を示しているにもかかわらず、自分の価値観から一方的にプレゼンテーションスキル習得の必要性を押し付けているように思われるため。
事例Ⅱ:「相応しい」理由:相談者から核心となる「周囲の評価と自信」について語られたので、更にその関係ついて内省を促す応答になっているため。
問い3
相談者は、学生時代、ゼミの担当教授に評価されようと専門書や論文を読みあさった。その結果、教授を始めゼミの友人から一目置かれるようになった経験から、「自信を持つためには知識やスキルを身につけることだ。」と強く思い込むようになった。しかしながら、この考え方はあらゆる状況に対応できる合理的な考え方とは言えず、この点が相談者の問題であると思われる。
問い4相談者のお話は「自信のない自分を隠そうとしているのかな・・・」というところで終わっているので、「そんな自分をどう思いますか。」と自分を客観視してみるよう促してみる。そうすることによって相談者の自己概念が浮かび上がってくるので、その点をまず明確にする。次に、「知識やスキル以外で本当に自信を得たことってありますか。」あるいは「何も隠そうとしていない自分ってどう思いますか。」などと問い掛け、肯定的なものの見方ができて自信を持って仕事に取り組んでいけるよう展開していく。
(以上)