キャリアコンサルタント Days of Life

キャリコン実践研究会

面接試験

受験レベルの「感情の反映」

「感情」についての対応を整理しておきたいと思います。

「感情」が出てきたら関わっていく、つまり、「感情の反映」(reflection of feeling)ですね。これは誰でも分かっている。とは言うものの、いざ「感情の反映」をやろうとすると上手くいかないこともあるのではないかと思います。

まず、「感情」は意識ではなく「感覚」であるということですね。従って、自分の感情を言葉で説明するのは結構難しい。怒り、悲しみといった強い感情であればまだしも複雑な感情になってくると、いろいろな感情が湧いてきて混乱することさえあります。

無理に説明しようとすると頭で考える、つまり理論的に既成概念の中で考え出すことになりますので、ますます「感覚」から離れていってしまう。従って、「感情を引き出す」ことはあまり推奨しません。

ですが、理論書によっては「感情を引き出す」と書いてあるものも見受けられますので、ややこしいですね。しかし、よく読んでみると、いろいろ条件がついている。控えめに、声の調子を工夫して、一呼吸置いてから、短く、シンプルに、最も強い感情に対してのみ・・・。勿論、翻訳上の問題もあるかと思いますが、どうやら注意して使わないと大変危険だという点は間違いなさそうです。

カウンセリングなど心理臨床に近い分野では、「話の内容よりも、”どうして”そのことを相談に来ているのか」に着目すると言われます。”どうして”とは要するに「執着」、こだわりですね。あることにこだわっているから感覚としての「感情」が生まれる。その背景には「執着」(考え・価値観・意味等)があり、行動を規制している訳ですから、「感情」はその「執着」にたどりつく大切なヒントになるわけです。(JCDAでは感情に関連して主訴の把握を重視しています。)

従って、「感情」を正確に把握しないと、間違った問題提起、問題解決を引き起こし、ミスリードしてしまう。こうしたことからロジャーズ始め多くの理論家が「感情の反映」の重要性を強調してきました。

この理解に立ってみると、「感情の反映」というのは単なる手法ではなく、面談の流れに沿って行う基本的なスタンス(≒傾聴)なのではないかと私は思っています。お話の内容を聴きながら、同時に相談者の心理状態もモニターしていく。内容/事柄や言葉だけに着目していると、人間心理の複雑性、両価性は理解しにくくなります。従って、お話を聴き、時折「感情の反映」としての伝え返しを行いながら自己理解の支援をしていくというのが本来の面談だと思います。


さて、これほど偉大な?「感情の反映」ですので、キャリコン試験でも必須、と考えるのは当然ですね。その典型が、
どんなお気持ちですか? どんな感じですか?
~という感じに見えましたが、いかがですか?
という質問です。

確かに、こうした表現が有効である場合もあります。しかし、状況や場の雰囲気を理解し、信頼関係が構築できた段階でないと、お話の流れを急にせき止めてしまいます。

そこで、当会では、最初は「相談者が使った言葉の非言語表現を加味した正確な伝え返し」から始めることを推奨しています。こうした方が安全であり、効果的だと思います。

正確な伝え返しが出来てくると、状況が理解出来てきます。最初の5分でやるのはお話の流れに沿った正確な状況把握です。状況を把握しながら、言語、非言語を通じて感情をモニターし、相談者の「感覚feeling」を感じ取ります。

そして、相談者によって感情が言語化されたら、つまり「感情を表す言葉」が出てきたらそれを正確に伝え返します。『感情の反映』とは広くは「繰り返し」と「言い直し」のことですから、まず最初の段階では「繰り返し」を行うということです。(※「言い直し」の部分は、モニターのフィードバックであり、核心部分ですので上級スキルです。受験生レベルでは負荷が大きく、基礎、基本に注力した方が賢明だと思いますので、割愛します。)

これさえできれば「感情にかかわる」ことが出来ていることになりますので、無理に「お気持ちは?」などと訊く必要はありません。

「お気持ちは?」とは、お気持ちが分からないので教えて下さい、ということですし、前述の通り、気持ちの整理がつかない段階では頭で考えさせてしまいます。「お気持ち」は状況についてのお話を通じて、次第に整理がついてくるものです。従って、「急がせない」という意味からも試験時間=最初の15分の中ではそうした場面にはなかなかならないのではないかと思います。

心理臨床などでは、とても悲しい気持ちなのに状況を淡々とお話されるケースがあります。淡々と、淡々と・・・。話し終わり、大きなため息・・・。そんな時、そっと「どんな、お気持ちですか・・・?」なら、効果的かと思いますが、キャリコン試験のケースでは考えにくいことですね。受験生には「場面に相応しい応答」という視点を是非持って頂きたいと思います。

また、「~と感じますが、いかがですか?」も最初の段階からやると、話の方向性を決定づけてしまい誘導にもなり兼ねませんので注意してください。


信頼関係の構築、感情の反映まではJCDA、協議会共通のアプローチです。キャリアコンサルタントとして正しく、状況及び感情にかかわってください。最初の段階から、安易に、「お気持ちは?」「~と見えますがいかがですか?」は危険な場合があります。

感情へのかかわりができたら、JCDA、協議会でアプローチが違ってきますので、『テキスト』等で確認しておいてください。

(ご参考)
キャリコン実践研究会』(ホームページ)
実技試験対策『テキスト』のお申込み
テキストと同時に「サブテキスト」(傾聴/論述/口頭試問)もお申込できます。論述対策には『過去問分析』もありますが、これらのお申込には『テキスト』のお申込が前提となっております。詳しくはホームページをご覧ください。

話さない相談者

第5回試験結果が発表になりました。合格率からみると、学科試験が一番難しいということになりますね。

結果が発表され、悲喜こもごもかと思います。合格された方、不合格となった方、当会にも続々ご連絡が入っていますが、いづれにしてもこの機会に是非、ご自身にとっての「意味」を考えていただければと思います。

さて、もうひとつ大事なことは、本試験の振り返り、分析をしっかり行うことです。やりっぱなしにしてはいけませんよ。辛く、思い出したくもないこともあるかもしれませんが、振り返り、分析し、意味につなげてください。未消化のままにしておくと、トラウマになってしまうかもしれません。ここががんばりどころです。

辛い記憶の中には「話さない相談者」も入るかもしれませんね。どうして話さなかったのか、その分析が重要ですが、心配なのは「今後」です。

「今後」とは、「話さない相談者対策をしなければ!」と考えてしまうことです。

その結果、仲間との勉強会で一所懸命「話さない」相談者役をする。キャリコン役となったった場合にはとにかく「話させよう」と質問を続ける。果たして相談者の心情は・・・。

まあ、極端な例ですが、この構造は、「話すことが少なかった」という現象に着目し、話させることさえできれば合格できるという誤った認識につながってしまうということです。かくて、本質が見えなくなり、更に迷路に入り込んでしまうかもしれません。

当キャリコン実践研究会では、無理に「話さない相談者」を演じることはありません。まずは、面談に応じて自然にお話を展開するようにしていきます。そうした、基本をまずしっかり押さえて頂きます。

そうした基本が身に付いていれば、仮に「話さない相談者」にめぐり会っても、相談者に沿った応答ができるようになるとわれわれは考えています。

ひとに向き合うキャリアコンサルタント。ひとの不思議に日々出会い、学びの毎日ですが、この方向だけは間違っていないと思っています。

この方向性にご賛同頂き、一緒に学んで行こうと思って頂ける方は是非、下記『講座』あるいは『テキスト』をお申込下さい。合格を保証することはできませんが、一緒にチャレンジすることはできます。

(ご参考)
キャリコン実践研究会のホームページ」←クリック

(理論講座)
日時:10月22日(日)12:10~13:40
場所:東京(新宿)
理論講座のお申込』←クリック

(テキスト・サブテキスト)
各講座で使用するテキストやサブテキストです。
テキスト・サブテキストのお申込』←クリック

素直な気持ちで2

第5回キャリアコンサルタント試験。JCDAの面接試験、直前となりました。今日やることは、よく寝て、明日、頭をスッキリした状態で試験に臨むことです。

とは言うものの、ちょっとだけ・・・、

緊張するのは最初の「ことば掛け」ですね。「緊張しないで」と言っても無理なので、「多少緊張しても大丈夫。」と暗示をかけましょう。

緊張してはいけないからと、面談開始の言葉を呪文の様に暗誦し、その通り出来たとしても、それが機械的だったら、相談者には伝わりません。逆に、馬鹿にしないで!と反感を買ってしまうかもしれませんよ。

だから、少し緊張して多少噛んだりしても、”素直な気持ち”で、お話を聴かせて下さいという姿勢さえあれば、返ってスンナリいったりすることもあります。

だけど、不幸?にして伝わらなかったら・・・、

(例えば、「え? どういうこと?」的な返答があったら、)まず、謝ることですね。「失礼しました。申し訳ございません。」そして、意図したことをゆっくりお話すればいいと思います。

一番いけないのは、慌てること、頭が真っ白になって、その状態を引きずってしまうことです。

緊張してはいけないと思っていると、緊張してしまった時に「あ、いけない!失敗した!」と負の感情を刷り込んでしまいます。だから、「多少緊張するけど、大丈夫」くらいで考えておくのが良いということになります。

実際、試験委員が見ているのは、緊張するか否か、失敗するか否かではないと思います。緊張したり、失敗したりした時に、「どう対応するか」です。

ひとは誰でも緊張し、失敗します。(人生は、緊張と失敗の連続ですね。)そうしたピンチに陥り、どうしたらいいか分からなくなって来られた方が、相談者です。そうした相談者の前で、キャリアコンサルタントが同じ状況に陥ってしまったら、勇気は与えられませんね。


お話が続いたら、最初の5分は信頼関係の構築です。どうやって信頼関係を構築するか?

大事なことは、「質問で信頼関係を築くのは難しい」ということです。

では、どうやって信頼関係を築くのかというと、「応答」ですね。お話されたことをどう「伝え返す」かにかかっていると言えます。

ここでのポイントは「正確に」ということになりますから、解釈や評価を交えると大変危険です。安易に「言い換え」ないようにしてくださいね。当会のロープレ講座では重要チェックポイントです。

こうしたことを考えると、最初の5分では質問をメインにするのではなく、応答を主体にするのがいいのではないかと思います。


面談も中盤になってくると、JCDAでは「自己探索」の場面になってきます。「自分を知る、自分に向き合う」というステップですね。自分の考えや価値観について、もう一度ゆっくり向き合ってみます。

ここでのポイントは「意味」です。人生には「意味」が必要なんですね。それぞれの「意味」。だから、一般的価値観で接したらキャリアコンサルタント失格ということになります。

考え・価値観が出てきたら、その「意味」を問い掛けてみましょう。但し、やり方には十分注意してください。面談のハイライトでもありますので、慎重にアプローチしてくださいね。(当会『テキスト』参照)

「意味」ができ上がるには何らかの経験が影響している筈です。その意味はどこから来ているのか? そこが分かればスッキリします。スッキリすれば、正常な思考ができるようになり、自分で進路を選べるようになっていきます。

「意味を問う」とは、決して哲学的、論理的に解明をするということでは無いんですね。だからリラックスしてください。面談しながら相談者を観察し、自己探索段階で、気づきが得られたら(従って、スッキリした表情になったら)十分です。

どうか、上手くやろうとせず、素直な気持ちで相談者のお話を聴いてみてください。

(ご参考)
キャリコン実践研究会のホームページ
*基本ポリシーや受験対策のステップ、各種講座の全容を掲載しています。是非一度ご訪問ください。


素直な気持ちで

第5回のキャリアコンサルタント試験、キャリアコンサルティング協議会の面接試験ですね。

評価区分は「態度」「展開」「自己評価」です。最初のチェックポイントは「態度」。キャリアコンサルタントとして相応しい「態度」で相談者に接することができるか、とっても大事な点です。

言い換えれば、人格が問われるところでもあります。日頃、どんな態度で人に接しているか。人に会ったら挨拶をし、寛容な態度で接する、そして柔軟な受け取り方をする。そこが出来ている人は怖れる必要はありません。いつもの様に、相談者に”丁寧に”接してください。

ムリに、引き出そうとしたり、言葉を拾おうとしたり、深堀しようなんて考えないほうがいいと思います。大事なのは「無条件の肯定的配慮」、つまり「受容」ですね。偏見を交えず素直に受け入れることです。(『理論講座』や『テキスト』の該当箇所を思い出してください。)

メールや手紙が来たら「返事」を出しますよね。普通の会話でも言葉を掛けられたら応答しますよね。それが「伝え返し」です。面接試験では重要ポイントですので、聞きっぱなしにしないでください。解釈を交えず、正確に「返す」ことを心掛けてください。そうすれば、「共感」につながります。

キャリアコンサルティング協議会の試験では、論述試験で準備した「自己理解」と「仕事理解」がポイントです。言い換えれば、相談者を一方向からだけ観るのではなく、多面的に観る視点が求められます。

信頼関係が構築でき、中盤になってお話の核心に入ってきたら、この「二つの理解」を視野に入れて大きく俯瞰的に相談者を観て下さい。(そのチェックポイントは『テキスト』のちょうど真ん中あたりに書いてありますので確認しておいてください。)

「二つの理解」の側面が見えてきたら、きっとお話も一段落ですね。そうすると、「さて、この先どうしようか」と次の「展開」が気になります。

ここで、大事なのは「進める」ことではなく、一旦「立ち止まる」ことです。最初にお伺いした「相談ごと」から始めて、ここまでのお話を「要約」してみることをお奨めします。(勿論、お断りを入れてくださいね。)

その「要約」について「賛同」が得られたら、やっと「お話を進める」準備が出来たことになります。「相談したいこと」を意識し、「目標」を提案してみてもいいでしょう。但し、闇雲にやっては危険ですので、『テキスト』に書いてある注意事項をしっかり守ってください。

面接試験は、相談者という相手がいますので、何が起きるか分かりません。また、自他共に感情をもった生き物という観点からすると、割り切れないことも多々起きます。

そうした事態を乗り越えることができるか、それが試されているんですね。上手くできるかどうかよりも、ひとに対してどのように接しようとしているのか、その基本姿勢が問われていると思われますので、いつでも挽回可能です。(投げ出したら、その時点で終わりです。)

かく言う私も、しょっちゅう怒ったり、投げやりになったりします。そして、勿論、失敗することもたくさんあります。ですが、ひとには丁寧に接しようという心掛けだけは持つようにしています。

最初にも書きましたが、一番大事なのは「人に接する基本的な態度」ではないかと思います。どうしてかという点については『テキスト』にまとめましたが、最後はこの点が勝負になるのではないかと思います。

試験ではがんばり過ぎず、「素直な気持ちで」自然に接してください。「相談者をムリに”理解しよう”とせず、まず、”受け入れる”ようにしてください。」そうすれば、お話は「相談者」がしてくれるはずですし、真の理解につながると思います。ご自分で判断できずに相談に来られた相談者。どうか丁寧に接してあげてください。

(ご参考)
キャリコン実践研究会のホームページ
*基本ポリシーや受験対策のステップ、各種講座の全容を掲載しています。是非一度ご訪問ください。

これさえできれば(キャリコン受験)

合格者の皆様からたくさんのお便りを頂きました。

一度で栄冠を手にされた方、超難関?の学科試験を克服しての合格は立派です。しっかり準備された証拠だと思います。

何度もなんどもチャレンジされ、やっと合格された方、こちらも1発合格と同じ位、賞賛されていいですね。受験生それぞれ置かれた環境や経験が違いますので、お一人おひとり、スタート地点が異なります。そこに、それぞれの意味、そして、ご自身と向き合う意義があるのではないかと思います。

何度もはね返されたけれど、チャレンジし続けた。その過程は今後の生活に必ず活きてくると思います。きっと、ご自分に向き合う機会が何度となく訪れたんでしょう。

言い換えれば、自分に向き合う機会がキャリコン受験であり、このチャンスを逃しては、例え資格を手にしても、魂を入れずということになってしまうのではないかと思います。

 自分に向き合うって・・・
人生は上手くいかないことで満ち溢れています。上手くいかないことで落ち込み、上手くいった人を妬ましく思う、なんで自分は・・・。

「自分に向き合う」って、こういう自分を「受け入れる」ことだと思います。がんばったけど上手くいかなかった。あるいは、甘く見ていたので上手くいかなかった。いづれにしても、そうした「今、ここに居る自分」をまず受け入れる。評価せず、つまり、今、この状態が、今の自分なんだとストレートに受け入れる。決して否定的にではなく、そのまま(=肯定的に)受け入れる。

この「そのまま受け入れる」ことって結構難しいんですよね。防衛本能や認知の歪みが働くからですね。 「評価」はその後です。そのまま受け入れることが出来てはじめて、正しい評価ができることになります。

 大切なこと
これがカウンセリング・マインドです。「自分」をありのままに受け入れる。そして、それが「ひと」なんだと気づき、人間理解が深まる。 自分を受け入れることが出来るから「相談者」を受け入れることができるんですね。だから、本当の傾聴ができるようになってくる。

キャリコン試験は、「相談者をそのまま受け入れることができるか」を試している試験のような気がします。

例えば、「口が重い相談者」。そのまま受け入れることができますか?

話さないから・・・、話させよう、気持ちを引き出そう、相談ごとを言わせようとする。これらは全~部、逆のことをやっているということがお分かりでしょうか?

まさに、受け入れる前に評価している態度です。この人は「話さない人」だ。(相談なのに話を聞けないのは正しい姿ではない)から~、という思考回路ですね。(こうした評価的な姿勢では話したくなくなる。それが「ひと」ですよね。)

合格率が60%以上、70%以上というのは、それほど難しい試験ではありません。従って、「相談者を受け入れること(受容)」が出来れば十分合格ラインに達するのではないかと思われます。

ですが、受講生を見ていたり、お話をお伺いすると、養成講座や対策講座、あるいは自主勉強会の混乱もあって、この受容と言う基本中の基本ができていないケースが多々見受けられます。周囲に惑わされることなく、この点をもう一度チェックしておいてください。

 宣伝を少々
この「受容」については、『テキストでも十分に盛り込みましたし、いろいろな場面でご説明しています。ですが、頭で分かっていてもなかなか実践できないところが厄介です。是非、「テキスト」の行間を読み込んで下さい。そして、可能であれば『各種演習(ペアワーク、個別1to1、個別ロープレ』をお受け頂き、チェックを受けていただければと思います。

 最後に
頂くお便りには、残念な結果になった方もいらっしゃいます。中には連絡する気にもならない方もいらっしゃることでしょう。

ですが、人生に失敗は付き物です。見方を変えれば「まだ決着は付いていない」ということだと思います。諦めなければまだ「過程」ですね。過程である限り、可能性は残ります。そして、われわれは数回のチャレンジの後に、一旦休止した後に、栄冠を獲得された方々を数多く見て来ました。

焦らず、一歩一歩成長していかれたその姿に、キャリコンとしてのひとつのモデルを見る様な気がします。

不合格ポイント(3)

過去のCDA試験で用いられていた「不合格者に見られる傾向」7項目の最後です。(第1回はこちら⇒『不合格ポイント(1)』)

)傾聴の技法ーいいかえ・反映(感情・意味)・質問ができていない
 まずは技法というより、「傾聴」がしっかり出来ているかということですね。次に技法です。

「いいかえ」は勘違いされている方が結構いらっしゃいますので、内容をしっかり理解してから活用してください。

「反映」は要するに「伝え返し」です。これが出来るか否かで合否が決まると言ってもいいくらいです。傾聴・信頼関係構築の中核でもありますので、正しい使い方を身に付けておく必要があります。

簡単そうで難しいのが「質問」です。本編「2)思いつくまま、脈絡なく質問をする」からもわかるように一歩間違うと不合格まっしぐらとなりますので注意してください。

)過度の緊張によって会話が成り立たない
 「過度の緊張」は不合格になるということです。

緊張しないためには、自分は何をするのか、何ができるのか、をしっかり整理しておくこと。そして、それは自分の考え・価値観で整理するのではなく、専門的な理論の裏付けがあって整理されていることがポイントです。

慣れも重要です。本番を想定した、つまり、他流試合をどれだけ積めるかですね。なかなか機会は得にくいかもしれませんが、少しでも多く経験されることをお勧めします。仲間同士だけで練習していると、本試験でのあまりにも違う雰囲気にびっくりするかもしれません。

とは言え、まずは「本試験は緊張するものだ」と受け入れることです。緊張を感じたら、ああ今自分は緊張しているんだと自己認識する。これ「自己一致」です。「緊張したらいけない」と緊張と戦うから緊張するんですね。

7)その他
 最後の項目は「その他」です。特に説明は載っていませんので、共通項目ではなく個別項目ということかと思います。自分の「くせ」と言ってもいいのかもしれません。面談としてのコミュニケーション上のくせは日頃からの振り返りによって把握できます。自己理解、自己探索が常に問われるということですね。


以上でご紹介は終了です。もっと詳しくという方は『テキスト』を参考にしてください。個別の説明は行っていませんが、背景となる理論や方法についてさまざまな角度から触れています。

本試験では、頭を空っぽにしてお話に集中してください。最初の5分は受容・共感です。信頼関係が構築できれば道は開けます。

(ご参考)
JCDA「CDA資格認定2次試験不合格者に見られる傾向」

不合格ポイント(2)

過去のCDA試験で用いられていた「不合格者に見られる傾向」7項目の第2弾です。(第一弾はこちら⇒『不合格ポイント(1)』)

3)自分の考え、または一般的価値観をもとに指導を行う。
 相談者の考えや価値観、状況等をちゃんと確認しないまま、指導したり、価値観の押し付けをしてしまうということです。

ここで注目すべきは「一般的価値観」という点です。一般的価値観で指導していいのであれば苦労はないですね。常識的なひとであれば誰でもキャリコンになれます。ところが違う。

つまり、 ” 専門的価値観 ” を持っていなければキャリコンは務まりませんよ、と言っていることになります。この専門性こそがキャリコンとしてのアイデンティティですし、国家資格の所以です。

簡単な例を挙げますと、ストレスを抱えている人に「がんばって」と言ってはいけない、というのがあります。一般的価値観からすると、励ましたり、勇気づけたり、あるいはネガティブな面に触れないようにするのは良いことのように思えますが違います。

違うと分かっていても、面談になると似たようなことをやってしまう。ここに学習と訓練が必要になる理由が有ります。対策は、理論的にしっかり理解することと、本格的なロープレ訓練です。試験に合格し、本物のキャリコンとして成長していく為にも受験生時代にその基礎を築いて頂ければと思います。

4)信頼関係構築のための基本的態度について、よく理解できていない。
 表面的・形式的応答を繰り返し、相談者との信頼関係を構築することが出来ていない、ということです。

「態度」、「姿勢」といったことですね。『テキスト』では、手法の「Do」に対して、存在「Be」を当てはめてご説明しています。また、ロジャーズの「3つの態度条件」が一番分かり易いと思われますので、その点にも詳しく触れています。

多くの書籍に書かれていますので、言葉の説明が出来る方は結構いらっしゃるかと思いますが、その意味は深く、本当の理解にたどり着き、実践できる方は少ない様な気がします。

また、基本的態度は、「傾聴姿勢」と言い換えることもできるかと思います。ここでも3)と同じで、一般的な価値観から判断して、自己流の「傾聴」を考えてしまってはいけません。是非、「傾聴」についても専門的な学習と訓練を積んでおいてください。

もうひとつ、「表面的・形式的応答を繰り返し」という点も重要です。問題には必ず背景があります。相談者が語る「見えている問題」の裏に、どんな「見えていない問題」が隠れているのか、そうした複眼思考が必要なのではないかと思います。


(ご参考)
JCDA「CDA資格認定2次試験不合格者に見られる傾向」

(続く)

不合格ポイント(1)

過去のCDA試験で、「不合格者に見られる傾向」として7項目が設定されていたことがあります。不合格になってから頂く資料ですので、私も納得がいくまで考えてみました。

内容は一見平易なもので、JCDA、キャリア・コンサルティング協議会双方のキャリアコンサルタント試験、特に面接試験に十分当てはまるものだと思います。そこで、何回かに分けてご紹介します。

1)先入観で話を進めてしまう
 最初に渡される簡単な相談者情報と、1つ2つの質問によって、CCが勝手にイメージを作り上げてしまい、それ以降のイメージや先入観に沿って話を進めてしまう、という傾向です。

CCも人間ですから、どうしても主観的なイメージを作ったり、先入観を抱いたりしてしまいます。従って、思っている以上に深刻です。

どうしてかと言うと、「先入観で進めないようにしよう」と思ってもなかなか対策にならないからです。気づかなかった、気づいた時にはもう遅かった、ということが多いんですね。

十分に対策するためには、どうして先入観を抱いてはいけないのか、先入観を抱いた結果どんなことが起きるのか、あるいは人間性、こころの動きなど、基礎的・基本的な面から分析し、納得がいくようにしておく必要があります。

キャリコン実践研究会では、「テキスト」(理論講座で使用)全編にわたってこの点を意識し、納得がいく見解にたどり着けるように努めています。

2)思いつくまま、脈絡なく質問をする
 質問に一定の意図が感じられず、手当たり次第に質問を繰り返している。どういう意図で質問されているのか相談者に伝わらない為、支援関係・信頼関係が構築されず、逆に相談者の気持ちが離れていく。また、面談の殆どの時間がCCの質問で占められている、といった傾向です。

手当たり次第に質問し、信頼関係が築けない。殆どCCが話しているという面談ですね。初心者に多く、質問することがキャリアコンサルティングだと思われていることに原因があるようです。

何のために質問するのか、何を質問するのか、質問する前に何をし、答えが返ってきた後には何をするのか、その点をしっかり押さえておく必要があります。(ご参照:「テキスト」)

ポイントは、意図を持って(意図性)ということになりそうですが、この意図性と先入観との関係を整理しておく必要があるかと思います。

先入観を持ってはいけないので⇒いろいろ質問する
いろいろ質問を重ねてはいけないので、⇒先入観を持ってしまう
先入観を持ってはいけないが、意図性は必要

どうしたらいいのでしょう? セミナーでも教えてくれないし、本にも載っていない。一番訊きたいところですね。

簡単に言うと、答えは「傾聴」と「応答」です。ですが、この言葉もそれ自体分かりにくい言葉ですね。そこで、キャリコン実践研究会では、「傾聴」をロジャーズの「3つの態度条件」を使って、「応答」をアイビイのマイクロカウンセリングを使って、分かり易く説明しています。(ご参照「テキスト」)


上記1)2)は多くの方がお分かりいただいていることだと思います。ですが、ちゃんと理解し実際に適切な応答が出来る方は本当に少ないのではないかと思います。

誤った理解を元に自己流で準備を進めてしまうと迷路に入り込んでしまう危険性があります。癖が付く前に、専門的な指導をお受け頂いた方がよろしいかと思います。


(ご参考)
JCDA「CDA資格認定2次試験不合格者に見られる傾向」

(続く)

自己一致

第3回の面接試験が終わり、今は一息・・・、だが気になる点も・・・、と言ったところでしょうか。

結果が発表になるまでのこの時期、試験から解放される時期でもありますが、この時期だからこそ一味違った学びが出来るという特別な時期でもあります。

試験という経験・実績が残った。だが、その客観的な評価は出ていない。今、可能なのは、主観的な評価だけ。

一致、不一致は主観と客観の視点です。是非、試験の振り返りを行い、出来たところ/良かったところ、出来なかったところ/改善すべきところを書きとめてみてください。結果が出てしまってからでは、結果が前提となってしまいますので、「振り返り」ではなく「反省」になってしまいます。

大事なのは、自分でどう思ったか?です。お話の展開に沿って、自分の中で何が起こっていたか? どんなことに反応したのか? どんなふうに反応したのか? 試験と違って時間に制限はありませんのでじっくり自問自答してみてください。

これが、自己理解であり、自己探索の世界です。自分は何に動かされるのか? その視点を持つことによって相談者/クライエントの心情や考え・価値観についての理解が深まります。

少しの時間でも結構ですから、コーヒーでもお伴にして振り返ってみてください。まとまらなくてもOKです。こころに浮かんだ言葉を記してみるだけでもいいと思います。

試験が上手くいかなかったと思われる方には、苦痛を伴う作業かもしれません。ですが、自分から一歩離れて(「外在化」と言います。)何が苦痛なのか、何を苦痛だと思っているのか、そのあたりから始めてみてはいかがでしょうか。答は見つからなくてもいいですよ。自己理解の為の「問い」を持ち続けることが大事です。

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上手くいかなかった原因が練習不足だったら仕方ないですね。日常のままでOKなら、資格は必要ありませんし、日常では何ともならないから専門性が必要なんですね。そこに、国家資格の意味がある訳です。

専門性となると、やはり特別な勉強と訓練が必要です。仲間同士の練習がこの専門性に裏打ちされたものであればいいのですが・・・、そうでないと「練習している」と勘違いしてしまう。その結果、頑張ったのに! 自分には向いていない!と思い込んでしまいチャレンジを諦めてしまっては勿体ないと思います。

また、よく勉強されているのに実際にやってみると上手くいかない、という方もいらっしゃいます。これは永遠の課題で、やはり勉強と実技訓練の両方が必要である所以です。(わたし自身もまだまだ勉強不足ですし、実際にやってみると上手くいかないことが度々あります。ですから、勉強→実践→振り返り→勉強のサイクルが必要なのだと思います。)

経験があるからというのも油断になってはマイナスです。面談経験や他の資格保有、いづれも本当に専門性が身に付いていればチカラになりますが、言い訳になっている場合も見受けられますので、ゼロからの学び直しという姿勢が求められるところです。

勉強もしている、訓練もしている、だけど本試験では上手くいかないという方の場合は、いろいろなケースが考えられます。従って、個々の状況をお伺いしないと何とも言えませんので、実際にカウンセリングを受けてみることをお奨めします。


タイトルの「自己一致」は、ロジャーズの3つの態度条件のひとつです。カウンセラーとして面談が上手くいっていようがいまいが、その状況を正しく自分自身で認識している状態を言います。

例えば、客観的に第三者から見て面談は上手くいっているようには思えないといった場合、カウンセラー自身も上手くいっていないと感じているのであれば、これは自己一致していると言えます。(逆に、上手くいっている/そう思っている場合も同様です。)

口頭試問で、出来たところ/良かったところ、出来なかったところ/改善すべきところについて質問されるのは、この自己一致が問われていると考えられますね。

面接試験、最後の準備

面接15分間の流れをイメージできないで困っているというお話をよく聞きます。よくよく聞いてみると、「どうやって進めていったら・・・」と。

そうですね。少し整理してみましょう。まず、「流れは相談者が作るもの」と考えてみましょう。そうすると、どうしますか?

ハイ、”まずはお話を聴いて”となりますね。これがスタートです。 何かCC側で進めようとするから難しくなるんですね。

頭を空っぽにしてとにかくお話を聴く!、こういう覚悟が必要かと思います。

お話が始まったら受容ですよ。どんな内容でも無条件で受け入れる。頭で”考え”てはいけません。とにかく受け入れる。些細なことでも、え!と思うようなことでも受け入れる。できますか?(ここは練習が必要なところですが、試験直前ですので、理屈抜き、とにかく考えないで、まずは受け入れてください。)大事な大事な信頼関係構築の第一歩です。


さて、面接試験で取り上げられる事例は、ほとんどが「AかBか迷っている」ケースです。(JCDAでは特に顕著です。)従って、流れとしてはAとB両方のお話を聴くのが当たり前ですね。時々、どちらかだけを最初からこと細かく質問してしまい、 撃沈してしまうケースが見受けられますので注意してください。

また、片方だけを聴いて「問題」を早合点するのも危険です。「主訴・問題」はAとBを聴いた後でやっと見えてくるものだと思ってください。

そうしてみると、最初の5分はAを聴き、次の5分でBを聴く。残りの5分で見えてきた「問題」 にかかわっていくとイメージする手もあります。

Aのお話で5分持たなかったら、応答が不十分なのだと思います。逆に、6分以上Aのお話が続いていたら、細かい質問や脈略のない質問を続けるなどして単なる情報収集に終わっている心配があります。

インテーク面談の最初の5分ですから、冒頭から掘り下げてしまっては全体像が見えてきません。相談者が置かれている状況がある程度見えてきて、見当がつけられれば十分です。5分以上Aのお話が続いている思ったら、Bのお話に「展開」することも必要でしょう。

こうして、AとBのお話を聴くことが出来たら、だいたい10分です。そうすれば、「主訴・問題」(JCDAでは合否の分かれ目です。)が見えてくるはずですから、最後の5分は考え・価値観を明確にし、意味を問い掛けていきます。これで15分くらいかと思います。

参考までに、意味が明確になったら、もう一度来談目的に戻り、目標の提案に移っていきます。このような大体のイメージをお持ちいただいたらどうでしょうか。(口頭試問にも応用できます。)

但し、お話を進めるのはあくまでも相談者です。そのことだけは意識し、頭を空っぽにして、ヒントとなるキーワードを聴き逃さないようにしてください。 

 
ここまで何度も講座に通っていただき、講師二人の口撃(?)に耐え、逐語を作り、テープを何度も聴き直してご努力されてきた皆様、その蓄積が本番でのチカラになります。堂々と、 そして、ご自分の為に、試験を受けてきてください。応援しています。
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