例えば、試験や研修でロープレをやろうとすると、どうしても・・・得点しよう、結果を出そうとして気負ってしまうことがありますよね。その結果、(なぜか)失敗してしまう。

さて、国家資格キャリコン試験は合格基準が60点以上/100点。論述試験を含めた合格率は60~75%程度です。それに、面接は相手があるし答がひとつではありませんので、流動的と言うか落とし穴がいっぱいある試験といっても過言ではありません。

このように考えてくると、面接試験に臨むにあたって「得点を稼ぐ」というよりは「失点を防ぐ」という視点に立った方が良いのではないかと思います。

失点を招く最大の要因は「関係構築の失敗」です。その典型が「お気持ち」なり「問題」なりを何とか訊き出そうとする強引な展開にあります。

こうならないようにするには、一にも二にも「急がない」ことです。

お話を正確に伝え返し、ついていく。言語的追跡ですね。焦って訊き出そうとするのは禁物です。こんな時こそ「進まなければ、それでも良い!」とゆったり構えましょう。実際のところ、インテークであれば「現状把握ができれば十分」といえる面もあります。


では、試験直前の対策として。
伝え返し中心に話を進め、お話が一段落、沈黙となったら・・・

例えば、「少しお話を整理させていただいてもよろしいですか?」とそれまでのお話を「要約」してみましょう。

その結果、お話が続いたらまたフォローしていきます。それでもお話が止まったら・・・

「では、少し質問させていただいてもよろしいですか?」とイニシアチブを取らせていただくことをお断りした上で「質問」してみる。

この段階では、JCDAの場合、考え・価値観や経験に焦点を当てると有効です。(協議会の場合には、自己理解、仕事理解に関したことで、情報不足の方を中心に質問してみます。)


尚、この様なアプローチをしてもお話が続かない場合があります。(それは、非言語の面や受容・共感等面談にはいろいろな要素が絡んでくるからです。)

ですが、ムリに話を訊き出そうとするのではなく、相談者のペースに合わせようとするその姿勢こそが、キャリアコンサルタントに相応しい基本姿勢として評価されるのではないかと思います。

(ご参考)
キャリコン実践研究会ホームページ