国家資格キャリアコンサルタント論述試験は、両機関とも従来の出題形式を踏襲しており、当会で論述対策を行った方にとっては解答しやすかったのではないかと思います。

さて、いよいよ面接試験ですね。

JCDAの評価区分3つの内のひとつ、「主訴・問題の把握」から面談対策について考えてみましょう。

「主訴」とは何か?

それは、文字通り、主な訴えということであり、一番訴えたいこと。こころの叫びのようなものと捉えてください。

「来談目的」が頭で考えたもので表層的なものだとすれば、「主訴」は内面的なもの、自分ではコントロールしにくい(従って、説明しにくい)「感情」と考えれば分かりやすいのではないかと思います。だから、受け止めて欲しい! それも無条件で。

では、「感情」はどこから生まれるのでしょう? ABC理論を待つまでもなく、それは考え、価値観、経験や信念に基づく「ものの見方」からですね。

「ものの見方」自体は個人特有のものですので良いも悪いもありません。ですが、ある状況に遭遇した時、ストレスを生み、自分を見失い、動けなくなってしまうほどのダメージを受け、こころの叫びとなって感情が発露しているとなったら・・・それは「極端なものの見方」つまり「思い込み」の仕業であり、それが「問題」ということになります。

よく、火のないところに煙は立たないと言われますが、「煙」が「主訴」で「火元」が「問題」と考えれば、両者の関係がよく見えてくると思います。


さて、面接への応用ですが、「感情」を掘り起こそうとしたり、分析しようとしてはいけません。

「感情」は「煙」であり、捕まえよう、明確にしようとしても手の中には殆ど残りません。インテーク面談の場合には「感情」は受け止めるだけ、反映するだけ、共感するだけでいいのです。

それよりもキャリコンとしてやることは「火元」を見つけることです。「火元」を見つける為には「煙」がサインになるという話で、「感情」を明確にすることが目的ではないことをしっかり認識してください。

「感情」を言葉で訊き出そうと質問に走っていませんか? 「感情」はそもそも言葉で理解するものではありません。感性、感受性で受け止めるものです。

そのためには、まず「煙」が立っている状況について語ってもらいましょう。どんな仕事(活動)をしているのか、どんな生活をしているのか、それをどんな表情で、どんな口調で、話してくれるのか。

これができれば「感情」を感じ取り「主訴」を見立てることが出来るはずです。そうすれば、その「主訴」はどこ(どんな「ものの見方」)からくるか、「火元」つまり「問題」に迫ることができると思います。

JCDA受験者はこうした点をしっかり整理しておいてください。

(ご参考)
キャリコン実践研究会
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