資格取得を離れて、個人的に「ミニ講座」を開催していますが、その中でもワークを行うことがあります。

私自身も受講生と一緒になってワークに入りますが、先日、対話をやっていて、改めて傾聴の力を感じることができました。

まさに、「安心できる場」があるならば、ひとは第三者の力を借りて、「自己理解・自己成長」が進む、という実感です。

詳しい説明は省きますが、端的に言えば、「いかにお話の邪魔をしないか」が傾聴の基本になるかと思います。

ですが、資格取得、試験合格となると、「何かをしなければいけない」と考えてしまいます。そして、何をしたらいいのかを一生懸命勉強し、試すことになります。

冷静に考えると、「邪魔をしないでとにかく話を聴いてほしい、その上で相談に乗ってほしい」相談者と、「何かをしたい」キャリコンでは、求めるものが違いますので、当然のことながら上手くいかない危険性があります。

では、「邪魔をしない」とはどういうことなのか。また、これに近い言葉で「何もしなくていい」とはどういうことなのかを考えてみたいと思います。


一時期、自己啓発セミナーというのがブームになりました(今でもあるのかもしれませんが・・・)。ある状況に追い込み、行動を迫ることによって成果を得ようとします。

勿論、そのことが切っ掛けになって良い結果を生んだ方も居たかと思いますが、多くはブームで終わってしまったようです。

その原因は、ある条件を与えて、仕向けた ことにあったのではないかと思います。こうしたことを考えると、現状から隔離して、つまり条件付けして、出てきた行動は、条件が外れたら行動が途絶えてしまうという点に着目する必要がありそうですね。

従って、行動を起こし、継続的な成長を志向するキャリアコンサルティングにおいては、まず現状を「受け入れる」ことから始めなければいけないという基本に帰着します。

相談者にとって、苦しんでいるのは「現状」ですから、現状から目を離しては成長につながりませんね。「現状」を良く聴き、「悩むのも無理はありませんね」「苦しむことは恥ずかしいことではありませんよ」と受け入れる、「OK」を出してあげることが大事です。

ここで、支援者(=キャリコン)から「OK」を出してもらい、自分でもそのように思えて初めて、次の一歩を自ら踏み出せると思うのですが、いかがでしょうか。


この様に見て来ると、面談で大切なのはまず「受容すること」。これは信頼関係構築の第一ステップです。「受容」というと「スゴイですね」「リッパですね」とやってしまうことがありますが、これは「受容」ではありません。「評価」です。「評価」は相談者の心情との乖離を生む危険性がありますので、インテークでは特に注意が必要です。

この「真の受容」「評価しない態度」こそが「邪魔をしない」ポイントではないかと思います。また、受け入れるだけで、質問等で仕向けることをしない状況は、あたかも「何もしない」ように見えるのかもしれません。(この様に大事なことはとてもシンプルです。)


勉強が進んでくると、キャリコン自身の自己効力感から何かをしたくなることは分かりますが、それが逆効果になっていることが多くの受講生を見てきて感じることです。

勉強が進んだ方こそ、一歩引いて「受容」を実践してみてください。真のプロのカウンセリングを見ていると目立たない。これこそ相談者中心の姿勢ではないかと思います。

(ご参考)
キャリコン実践研究会』ホームページ
まずは、当会の『テキスト』をお手にとってください。