第5回試験に向けて『テキスト』の改訂は終わりましたが、まだまだ落ち着かない日々が続いています。試験から試験へ、それはまさに「トランジション」と言えるかもしれません。

受験のことを考えてみた場合、第4回で受験された方は合否によって今後の方向が変わってきます。また、新たに第5回で初受験される方にとっても、養成講座が終わり、今後のやり方次第で試験結果が変わります。

「トランジション」は、何かが終わり、ニュートラルゾーンがあって、そして何かが始まる、という3段階で構成されますが、その中でも中間の「ニュートラルゾーン」がとても重要です。

と言うのも、トランジションとは”単なる変化”ではないからです。内的な変化、そうしたものがないとトランジションとは言わないんですね。それで、内的な変化を経験するのが「ニュートラルゾーン」ということになります。

こうした点は、なんだかJCDAの「問題解決」と「自己探索」の関係にも似ていますね。内的キャリア/外的キャリアという言葉もある様に、キャリアコンサルタントにとって内的な対応は欠かせない要素です。

ニュートラルゾーンは中途半端な時期でもありますが、そうした状況の中で、自分なりに「意味」を探すことができたら、新たな学びにつながりますので、この時期を有効に使っていただければと思います。

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←第5回用『テキスト
 今回はJCDAとCC協議会の違いについて、記載箇所を明確にしました。




さて、国家資格キャリアコンサルタント試験が始まって1年が経ちました。この間いろいろ混乱はあったものの、一応の落ち着きを見せてきたような気がします。しかしながら、一方で不具合と思われる点もいくつか浮き彫りになってきました。

ひとつには、JCDAとキャリア・コンサルティング協議会のアプローチの違いです。違いがあることは当然ですし、「ひと」を相手にする資格の性格上、複数のアプローチが有ることは良いことだと思います。

問題は受験生を支援する側でその違いがしっかり把握されているかということです。養成段階・対策段階で、主催者側・講師側で、その違いに沿った対応が出来ていないようなお話を時々お伺いします。当会も気を引き締めていかなければいけないと思います。

また、学科試験と論述試験が同日にあり、その1~2週間後に面接試験という期間の短さも気になります。初受験の方にとっては学科と実技を併行して準備しなければならず、相当な負荷となり、面接試験への準備不足となってしまうような気がします。

以前のCDA試験では、学科試験と面接試験の間が2カ月弱ありましたので、面接試験対策もしっかりできた方が多かったようです。

以上、支援機関や準備期間を考えただけでも今の受験生は大変だと思います。それだけに、ニュートラルゾーンをしっかり活用し、自分にとっての受験の意味や合格への準備計画をこの時期にしっかり考えていただければと思います。