2回にわたってJCDAがとらえる「相談者の問題」を確認してきました。そこで、今回はJCDAとは違った問題のとらえ方をするキャリア・コンサルティング協議会について見てみたいと思います。

ご承知の通り、キャリア・コンサルティング協議会はキャリア・コンサルティング技能検定(技能士試験)を実施していますので、問題のとらえ方としては技能士試験と同じ視点を持っていると考えられます。

そこで、参考になるのが、厚労省の「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会報告書」や「キャリア・コンサルティング技法等に関する調査研究報告書の概要」(いわゆるマニュアル)です。(要点については当会「キャリコン実践研究会」の『テキスト』にまとめていますので、お持ちの方は参考にしてください。)

上記マニュアルには「キャリア形成の6ステップ」が載っています。そして、キャリアはこの6つのステップを通じて形成され、キャリア・コンサルティングはこれら各ステップを通して支援するものとされています。

そうすると、キャリアを考える場合、各ステップについてどの程度出来ているのかをチェックすることから支援は始まります。チェックした結果、形成が不十分だったら、それが「問題」です。

6つのステップの最初のステップは「自己理解」です。自己理解と言っても大変に広いわけですが、
 1)職業興味や価値観といったキャリア志向性
 2)過去の経験
 3)職業能力等
 4)個人を取り巻く諸条件
といった分野になります。

お話を聴きながら、興味や価値観はどうか、経験についてはどうか、仕事上の能力は、と確認していくわけですね。但し、質問の連続では話したいことが話せませんので、受容・共感しながら上記の達成度を感じ取ることも重要です。このへんは協議会、JCDAに限らず、キャリコン共通の傾聴姿勢がポイントになります。

このように、問題を幅広くとらえようとしますので、JCDAの様に根幹となる問題を探すというよりも、網羅的で、問題は複数になることが殆どです。職業興味や価値観についてはある程度自己認識しているが、過去の経験については十分整理されていない。ノウハウもあるはずなのに自分の強みが分かっていないということであれば、「経験の振り返りが不十分で、自分の強みについての自己理解が不足している点が問題」ということになります。

更に、実務能力についての理解はあるが、管理能力についての自己理解は不十分ということであれば、その点も「問題」に付け加えていいでしょう。

また、同時にキャリアは仕事がテーマですから、第2ステップである「仕事理解」も面談の当初から話題に上がってきます。「仕事理解」は、
 1)仕事の責任と内容
 2)作業環境と条件
 3)従事者の資格・要件
から、14)追加情報の資源まで幅広くありますので、上記マニュアルで範囲を確認しておいてください。

尚、協議会でも”2つの問題”があります。
イ)相談者が相談したい問題
 相談者が感じている問題です。”相談ごと”として冒頭から出てくることでしょう。キャリコンとしては、まず受容です。そして共感。 

ロ)キャリコンが考える相談者の問題
 これが「真の問題」です。相談者が気づいていない問題ですから、キャリコンが見立てていくことになります。そして、論述試験や口頭試問で問われるのはこの「真の問題」です。 内容は、上記の通り「自己理解」、「仕事理解」となります。

以上見てきました通り、キャリア・コンサルティング協議会とJCDAでは「問題」のとらえ方が全く異なります。受験機関と問題のとらえ方を間違えたらアウトですね。受験指導機関では片方に片寄った指導をしたり、両者を混同して指導しているところもあるような噂をききますが、まずはしっかり受験機関に合わせた問題の把握をしてください。

「問題」については以上ですので、ここで終わりにしたいのですが、ここまで来ましたので、次回、オマケを少々記載したいと思います。