過去のCDA試験で、「不合格者に見られる傾向」として7項目が設定されていたことがあります。不合格になってから頂く資料ですので、私も納得がいくまで考えてみました。

内容は一見平易なもので、JCDA、キャリア・コンサルティング協議会双方のキャリアコンサルタント試験、特に面接試験に十分当てはまるものだと思います。そこで、何回かに分けてご紹介します。

1)先入観で話を進めてしまう
 最初に渡される簡単な相談者情報と、1つ2つの質問によって、CCが勝手にイメージを作り上げてしまい、それ以降のイメージや先入観に沿って話を進めてしまう、という傾向です。

CCも人間ですから、どうしても主観的なイメージを作ったり、先入観を抱いたりしてしまいます。従って、思っている以上に深刻です。

どうしてかと言うと、「先入観で進めないようにしよう」と思ってもなかなか対策にならないからです。気づかなかった、気づいた時にはもう遅かった、ということが多いんですね。

十分に対策するためには、どうして先入観を抱いてはいけないのか、先入観を抱いた結果どんなことが起きるのか、あるいは人間性、こころの動きなど、基礎的・基本的な面から分析し、納得がいくようにしておく必要があります。

キャリコン実践研究会では、「テキスト」(理論講座で使用)全編にわたってこの点を意識し、納得がいく見解にたどり着けるように努めています。

2)思いつくまま、脈絡なく質問をする
 質問に一定の意図が感じられず、手当たり次第に質問を繰り返している。どういう意図で質問されているのか相談者に伝わらない為、支援関係・信頼関係が構築されず、逆に相談者の気持ちが離れていく。また、面談の殆どの時間がCCの質問で占められている、といった傾向です。

手当たり次第に質問し、信頼関係が築けない。殆どCCが話しているという面談ですね。初心者に多く、質問することがキャリアコンサルティングだと思われていることに原因があるようです。

何のために質問するのか、何を質問するのか、質問する前に何をし、答えが返ってきた後には何をするのか、その点をしっかり押さえておく必要があります。(ご参照:「テキスト」)

ポイントは、意図を持って(意図性)ということになりそうですが、この意図性と先入観との関係を整理しておく必要があるかと思います。

先入観を持ってはいけないので⇒いろいろ質問する
いろいろ質問を重ねてはいけないので、⇒先入観を持ってしまう
先入観を持ってはいけないが、意図性は必要

どうしたらいいのでしょう? セミナーでも教えてくれないし、本にも載っていない。一番訊きたいところですね。

簡単に言うと、答えは「傾聴」と「応答」です。ですが、この言葉もそれ自体分かりにくい言葉ですね。そこで、キャリコン実践研究会では、「傾聴」をロジャーズの「3つの態度条件」を使って、「応答」をアイビイのマイクロカウンセリングを使って、分かり易く説明しています。(ご参照「テキスト」)


上記1)2)は多くの方がお分かりいただいていることだと思います。ですが、ちゃんと理解し実際に適切な応答が出来る方は本当に少ないのではないかと思います。

誤った理解を元に自己流で準備を進めてしまうと迷路に入り込んでしまう危険性があります。癖が付く前に、専門的な指導をお受け頂いた方がよろしいかと思います。


(ご参考)
JCDA「CDA資格認定2次試験不合格者に見られる傾向」

(続く)