年が明ければ、すぐに国家資格キャリアコンサルタント試験の合格発表。技能士2級の面接試験も始まります。

最近、多くの受講生と接していて、課題だなあと思うことは「自然さ」ですね。

素直にお話を聴いて、先入観や偏見、評価に捕われず、そのまま受け入れ、共感とともに、冷静に状況を見極め、半歩先を考える。

簡単に言ってしまえばこういうことで、考えてみれば普通の会話なのですが、これがなかなか出来ない。不思議というか、面談の難しさでもあります。

何が難しいのかと改めて考えてみると、こうなるはずだ、こういうはずだ、と仮説を立てるまではいいのですが、仮説でなく、それが前提となって話を進めてしまう、こういう点にあるのではないかと思います。

プロは、仮説(は仮説としてニュートラルなゾーン)に留まることができます。

では、どうして仮説前提の面談になってしまうのでしょう?

いろいろ考えてみるのですが、乱暴に言ってしまえば受験勉強のやり過ぎ?ではないかと思います。

試験だから、採点基準があって、〇〇しないとダメ、△△について質問しないと、あるいは、こうしてああして・・・、かくて面談は機械的となり、「自然さ」から遠く離れたものになってしまいます。(ん~)

2級試験の場合、前半でこの「自然さ」をベースにした傾聴が出来ないと、お話の本筋、つまり相談事を正確に把握することが出来ず、後半の「目標」設定が曖昧になってしまいます。目標設定が曖昧だと「方策」も相談者にとっては受け入れにくいものに・・・。

また、「目標」を先にいくつか用意していて、面談後半でそれを引用しようとする傾向も見られます。ネタをいくつか持っていないと不安ということかもしれませんが、ネタに”当てはめよう”という意図が強いと、機械的になってしまいます。

本来は、素直にお話を聴くことが出来、主訴を理解できたら、自然に「目標」は見えてくるので、面談はシンプルになってくるはずなんですがね。試験が迫ってくると不安が大きくなってくるので、ついつい武器をたくさん用意したくなるのでしょう。受験生心理としてはよく分かります。

ですが、年が明けたら、今までの準備、試験対策は忘れ、自然にお話を聴くことに重点を移してはどうでしょうか。

うるさくルールを主張する勉強会があったら避けましょう。自分を信じて、ご賛同いただける分だけ取り入れてください。(勿論、基礎・基本が出来てない方はその点の確認から始めてください)

画一化された機械的な面談ほど評価を落とす面談はありません。プロとしての試験官の眼はこうしたことを見逃さないでしょう。

試験官に評価していただける面談は、血の通った、温かい、相談者の立場に立った面談です。それは、決して難しいものではなく、普段通り誠意を持って人に接しているご自身のコミュニケーションスタイル=「自然な」会話だと思います。

「自然な」会話が出来たとき、初めて主訴が分かり、問題や目標・方策が見えてきます。この基礎、基本をしっかり押さえてください。


2級試験の事前配布される「ロールプレイケース内容」の使い方は、慎重にした方がいいですね。

まるで、先入観製造装置と思えるくらい魅力ある情報が載っています。読み込み過ぎは禁物。ストーリーに溺れないようにしてください。
まさに、仮説に留まれるかが試されるような気がします。

(ご参考)
キャリコン実践研究会ホームページ
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*『テキスト』(理論講座で使用)はキャリアコンサルタント試験(JCDA、CC協議会)向ですが、技能士2級試験の基礎・基本学習用としても有効です。