2017年03月

自己一致

第3回の面接試験が終わり、今は一息・・・、だが気になる点も・・・、と言ったところでしょうか。

結果が発表になるまでのこの時期、試験から解放される時期でもありますが、この時期だからこそ一味違った学びが出来るという特別な時期でもあります。

試験という経験・実績が残った。だが、その客観的な評価は出ていない。今、可能なのは、主観的な評価だけ。

一致、不一致は主観と客観の視点です。是非、試験の振り返りを行い、出来たところ/良かったところ、出来なかったところ/改善すべきところを書きとめてみてください。結果が出てしまってからでは、結果が前提となってしまいますので、「振り返り」ではなく「反省」になってしまいます。

大事なのは、自分でどう思ったか?です。お話の展開に沿って、自分の中で何が起こっていたか? どんなことに反応したのか? どんなふうに反応したのか? 試験と違って時間に制限はありませんのでじっくり自問自答してみてください。

これが、自己理解であり、自己探索の世界です。自分は何に動かされるのか? その視点を持つことによって相談者/クライエントの心情や考え・価値観についての理解が深まります。

少しの時間でも結構ですから、コーヒーでもお伴にして振り返ってみてください。まとまらなくてもOKです。こころに浮かんだ言葉を記してみるだけでもいいと思います。

試験が上手くいかなかったと思われる方には、苦痛を伴う作業かもしれません。ですが、自分から一歩離れて(「外在化」と言います。)何が苦痛なのか、何を苦痛だと思っているのか、そのあたりから始めてみてはいかがでしょうか。答は見つからなくてもいいですよ。自己理解の為の「問い」を持ち続けることが大事です。

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上手くいかなかった原因が練習不足だったら仕方ないですね。日常のままでOKなら、資格は必要ありませんし、日常では何ともならないから専門性が必要なんですね。そこに、国家資格の意味がある訳です。

専門性となると、やはり特別な勉強と訓練が必要です。仲間同士の練習がこの専門性に裏打ちされたものであればいいのですが・・・、そうでないと「練習している」と勘違いしてしまう。その結果、頑張ったのに! 自分には向いていない!と思い込んでしまいチャレンジを諦めてしまっては勿体ないと思います。

また、よく勉強されているのに実際にやってみると上手くいかない、という方もいらっしゃいます。これは永遠の課題で、やはり勉強と実技訓練の両方が必要である所以です。(わたし自身もまだまだ勉強不足ですし、実際にやってみると上手くいかないことが度々あります。ですから、勉強→実践→振り返り→勉強のサイクルが必要なのだと思います。)

経験があるからというのも油断になってはマイナスです。面談経験や他の資格保有、いづれも本当に専門性が身に付いていればチカラになりますが、言い訳になっている場合も見受けられますので、ゼロからの学び直しという姿勢が求められるところです。

勉強もしている、訓練もしている、だけど本試験では上手くいかないという方の場合は、いろいろなケースが考えられます。従って、個々の状況をお伺いしないと何とも言えませんので、実際にカウンセリングを受けてみることをお奨めします。


タイトルの「自己一致」は、ロジャーズの3つの態度条件のひとつです。カウンセラーとして面談が上手くいっていようがいまいが、その状況を正しく自分自身で認識している状態を言います。

例えば、客観的に第三者から見て面談は上手くいっているようには思えないといった場合、カウンセラー自身も上手くいっていないと感じているのであれば、これは自己一致していると言えます。(逆に、上手くいっている/そう思っている場合も同様です。)

口頭試問で、出来たところ/良かったところ、出来なかったところ/改善すべきところについて質問されるのは、この自己一致が問われていると考えられますね。

面接試験、最後の準備

面接15分間の流れをイメージできないで困っているというお話をよく聞きます。よくよく聞いてみると、「どうやって進めていったら・・・」と。

そうですね。少し整理してみましょう。まず、「流れは相談者が作るもの」と考えてみましょう。そうすると、どうしますか?

ハイ、”まずはお話を聴いて”となりますね。これがスタートです。 何かCC側で進めようとするから難しくなるんですね。

頭を空っぽにしてとにかくお話を聴く!、こういう覚悟が必要かと思います。

お話が始まったら受容ですよ。どんな内容でも無条件で受け入れる。頭で”考え”てはいけません。とにかく受け入れる。些細なことでも、え!と思うようなことでも受け入れる。できますか?(ここは練習が必要なところですが、試験直前ですので、理屈抜き、とにかく考えないで、まずは受け入れてください。)大事な大事な信頼関係構築の第一歩です。


さて、面接試験で取り上げられる事例は、ほとんどが「AかBか迷っている」ケースです。(JCDAでは特に顕著です。)従って、流れとしてはAとB両方のお話を聴くのが当たり前ですね。時々、どちらかだけを最初からこと細かく質問してしまい、 撃沈してしまうケースが見受けられますので注意してください。

また、片方だけを聴いて「問題」を早合点するのも危険です。「主訴・問題」はAとBを聴いた後でやっと見えてくるものだと思ってください。

そうしてみると、最初の5分はAを聴き、次の5分でBを聴く。残りの5分で見えてきた「問題」 にかかわっていくとイメージする手もあります。

Aのお話で5分持たなかったら、応答が不十分なのだと思います。逆に、6分以上Aのお話が続いていたら、細かい質問や脈略のない質問を続けるなどして単なる情報収集に終わっている心配があります。

インテーク面談の最初の5分ですから、冒頭から掘り下げてしまっては全体像が見えてきません。相談者が置かれている状況がある程度見えてきて、見当がつけられれば十分です。5分以上Aのお話が続いている思ったら、Bのお話に「展開」することも必要でしょう。

こうして、AとBのお話を聴くことが出来たら、だいたい10分です。そうすれば、「主訴・問題」(JCDAでは合否の分かれ目です。)が見えてくるはずですから、最後の5分は考え・価値観を明確にし、意味を問い掛けていきます。これで15分くらいかと思います。

参考までに、意味が明確になったら、もう一度来談目的に戻り、目標の提案に移っていきます。このような大体のイメージをお持ちいただいたらどうでしょうか。(口頭試問にも応用できます。)

但し、お話を進めるのはあくまでも相談者です。そのことだけは意識し、頭を空っぽにして、ヒントとなるキーワードを聴き逃さないようにしてください。 

 
ここまで何度も講座に通っていただき、講師二人の口撃(?)に耐え、逐語を作り、テープを何度も聴き直してご努力されてきた皆様、その蓄積が本番でのチカラになります。堂々と、 そして、ご自分の為に、試験を受けてきてください。応援しています。
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