2017年02月

第3回論述試験を終えて

第3回論述試験お疲れ様でした。月曜日になって、問題が公表されましたので、私も50分かけてやってみました。


まず、JCDAからです。問題を見ると、おっ、1問増えている。事例が2つ、これは一緒ですね。予想通りです。親切にも共通部分を示してくれています。これは有り難い。手間が省けました。

問い1は、従来通り。対応の違いにより展開が変わっているという設定です。中身を見れば、大体分かりますね。傾向は今までと一緒のようですから、「過去問分析」(『論述基礎講座』)をしっかりやっていた方は戸惑わなかったと思います。

指定語句が出てきたのも予想通りでした。「予想問題」(『論述対策講座』)とも近い設定です。やはり、主訴・問題の把握は外せない基本中の基本ですね。

高得点を狙うなら事例となった逐語から具体的な「主訴」を読み取り、解答に反映したいですね。それに「経験」や「意味」についての理解が加われば言うことなしだと思います。

問い2は、また「相応しいか、相応しくないか」問題。ここも予想通りです。ん~、わたしは、ひとつ目、ふたつ目は「相応しくない」、三つ目は「相応しい」にしました。皆さんはいかがですか? 点数は「理由」次第だと思いますからどこに着目したかがポイントですね。

問い3、「問題」が出てきました。やはり主訴・問題の把握は重要です。ここでの「相談者の問題」は、JCDAのカウンセリング観に沿って答える必要があります。技能士や協議会が捉える「問題」とはちょっと違いますので、混乱しないでください。

さあ、最後の問い4。出ました、今後の展開です。ここも予想問題通り。問い3と同じく、JCDAのカウンセリングにおけるプロセスに当てはめて答えればいいと思います。

全体的に振り返ってみると、事例Ⅱから主訴、問題の見立てが基本になり、プロセスが問われた良い問題だったのではないかと思います。この点は、来るべき面接試験でも大事な点ですから、しっかり整理しておいてください。それにしても、解答時間はぎりぎりでした。


協議会の方もやりましたよ。こちらの設問は3つで、小問を入れると4つ、従来通りです。事例記録や空欄も前回と同じですね。

設問1。はい、空欄Aの応答です。これも「過去問分析」(『論述基礎講座』)でバッチリやりました。前後をしっかり確認して答えればOKだと思います。

設問2は「相談者の問題」で、これも予想通り、定番の質問でしたので、ご準備されていた方は確実に書けたのではないかと思います。勿論、ここでは協議会が捉えている「相談者の問題」ですから、JCDAとは違いますね。

設問3は、小問ふたつに分かれていました。最初が、情報提供を問う設問です。逐語から判断し、何を求めているのか、何が不安なのか、そのあたりをしっかり読み取れれば答は書けると思います。

小問のふたつ目は、助言・教示です。逐語の「どうやって調べたらいいんですか?」の質問に対して答えてあげる内容を書くことになります。難しく考えず、落ち着いて考えれば方策は浮かんできたのではないかと思います。

設問3も、前回の形式と同じでしたね。前回は「職業能力開発に関する目標」でしたが、今回は「情報提供」だけで、どんな情報か、どこから入手するかを考えさせるようになっていました。


さて、いよいよ面接試験ですね。論述試験は、過去2回の例では平均点が70%前後ですから、ある程度書けていればそれなりの点数がもらえるのではないかと考えて、これからは面接試験に集中していただければと思います。

面接試験では最初の信頼関係構築がポイントです。傾聴をしっかり行い、来談目的/相談者が相談したい問題を受け止めましょう。そこからは、JCDA/協議会、それぞれのプロセスに沿って進めてください。

但し、無理に進めてはいけませんし、ただ付いていくだけでもいけません。相談者のペースに沿って進めることが大事です。

また、口頭試問をおろそかにしないでくださいね。「主訴や問題」(JCDA)/「CCが考える相談者の問題」(協議会)は必ず問われますので、『テキスト』等でもう一度しっかり整理しておいてください。

「今後の展開」はプロセスの基本を押さえてください。そして、最後まで諦めずに! 合格は、論述+面接+口頭試問の総合点で決まりますので、がんばってくださいね。

論述講座を終えて

昨日、第3回向論述講座の全日程が終了しました。具体的な対策やノウハウについては、有償ご負担いただいた受講生がいらっしゃいますので、ご容赦ください。

とは言うものの、少し気づいた点をお話したいと思います。

まず、「基礎・基本」が出来ているかということですね。その典型がJCDAで言えば、来談目的、主訴、問題。協議会で言えば、問題(自己理解、仕事理解)、目標、方策。これらをしっかり理解しているか。

これらはプロセスとして理解することが重要です。プロセスを踏襲していかないと次のテーマに進めないということですね。

実際、JCDAでも協議会でも各設問はつながっていますので、プロセスを理解していれば、何を問われているのか容易に分かります。また、問題文に含まれているヒントにも気づくことができます。

特にJCDAでは「主訴・問題の把握」が評価区分(判定基準)になっていますので、これらの理解が足りないと、論述、面接共に勝負になりません。

中でも「主訴」はポイントですね。「訴えたいこと」と単純に考えては危険です。ですが、一般参考書を見てもなかなか載っていませんので厄介です。

JCDAが評価の基準にしてる「主訴」は、JCDAのキャリアカウンセリング観に基づいていますので、必ずJCDAの教材や関連書籍からしっかり読み取ってください。(『テキスト』では理論的に解明するよう努めましたので参考にしてください。)

※JCDAの「主訴」「問題」、協議会の「CCが考える問題」は相談者に教えてもらうものではありません。キャリアコンサルタントが見立てるもの、感じ取るものです。その点がJCDAの「来談目的」や協議会の「相談者が相談したい問題」と違うところです。


当会の講座は少人数でやっていますので、講座での質問や意見交換はとても役に立ちます。昨日も「主訴」について活発な意見交換がされましたので、ご参加いただいた方々の理解が進みました。(こうした現場の学びが貴重だと思います。)

また、”目からウロコがたくさん”というお話もいただきました。そうお伺いして大変うれしく思いますが、一方で、基礎・基本を理論的な面から教えている講座/コースが少ないのかなと危惧も覚えます。

国家資格キャリアコンサルタント試験は、論述試験と面接試験の合計点で合否が決まります。先に行われる論述試験で貯金ができるか、借金を抱えるか、それによって面接試験の余裕度が違ってきます。心理的な面だけでもこの違いは大きいですね。


”(論述試験は)協議会の方が簡単そうだ”とのご感想も伺いました。確かに解答しやすい、と言えるかもしれませんね。ただ、第1回も第2回も論述試験の平均点はJCDAも協議会でほぼ同じです。

もし、協議会の方が簡単そうだということなら、比較すると採点が厳しいということになりますね。そうでないと平均点は一緒になりません。

ですから一緒ですね。隣の芝生の例もありますので、まずは申し込んだ試験実施機関に集中し、1点でも2点でも多く貯金が出来るように頑張ってください。

それから、前日の睡眠はしっかりとってくださいね。電車の遅延等にも備えて十分早めに会場近くに行ってください。氏名等を書き忘れることなく、時間配分をしっかり行い、大きめのはっきりした字で簡潔に解答してください。ご健闘をお祈りいたします。


「きっかけ」や「やりがい」、「お気持ち」

受験票が届くようになり、いよいよ試験が近づいてきましたね。キャリコン実践研究会でもロープレ講座の前半が終わり、論述の徹底強化週間に移っていきます。

前半のロープレ講座を振り返ってみると、初心者の方には一定の傾向が見られるような気がします。

それは、「きっかけは何ですか?」「やりがいは何ですか?」「お気持ちは?」といった質問をよく使われることです。

しかし、ロープレを拝見していると、どうも効果的では無い。質問が活きていない感じです。どうしてなんでしょうね。


その背景には、経験代謝で経験を振り返ろう、肯定的な自己概念を探す為にポジティブな面を引き出そう、感情は大事だから気持ちも聴かなくちゃ、といった考えが働いているのではないかと思います。

確かに、それぞれの動機は分かりますね。

でも、機能していない。

知識や理論ベースでは理解しているが、面談という手法、実践ベースでは活かせない、ということでしょうか。


その理由はいろいろありそうですが、ひとつには「現状把握」に問題があるのではないかと思います。大事な大事な「今、ここ」の視点ですね。

相談者は「どうしようか」と思って相談に来ます。どうしようか、ということは、今、相談者の周りで、不都合なことが起きている訳ですね。そのことによってこころが動き、価値観が問われている。

つまり、「今、ここ」はどうなっているのか、ということが明確になっていないと、動いても有効では無い、ことになります。

例えば、何かやりたい仕事があるということであれば、やりたい仕事についてジックリ聴いてみる。その上で、その仕事をやってみたいと思ったきっかけを訊く訳です。

やりたい仕事について十分話した後であれば、相談者も気持ち良く「きっかけ」について話してくれるでしょう。ですが、やりたい仕事に付いて十分に話しきらない内に「きっかけ」を訊かれたら・・・。


カウンセリングの基本は、「今、ここ」で何が起きているかです。そこをしっかり押さえた上で、過去に旅したり、未来に思いを馳せたりする。そして、また、今に戻り、歩き始める。

悲観的になっている現状をジックリ聴いた上で、ポジティブな面に焦点を当てる。状況をジックリ聴いてみれば、「お気持ちは?」と訊かなくても、(お気持ちは)必ず感じ取れる。

「今、ここ」を外した応答では深まりませんので、注意してください。

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