2016年12月

第3回キャリコン試験へ

ひとこと言いたくなった第2回国家試験でしたが、前を向けるか否かが問われる試験でもありますので、気持ちの切り替えが大事かと思います。

国家資格になって、キャリコン試験は年4回実施されることになりました。3カ月に1回行われるということですね。

次回第3回はというと、学科・論述試験が2月19日、面接試験が2月末/3月上旬(JCDA/協議会)ですから、もう2カ月前。そうなってくると、ゆっくりもしていられない。申込の締切は1月5日です。

合格率も上がっていますので、しばらくは多くのキャリアコンサルタントを輩出したいという国の意向が働いているのでしょうか。そうなってくると、早く受かってしまった方がいいということになります。

第2回の結果については前回も触れましたが、改めて思うと、「論述試験」の出来が大きく結果を左右するということですね。実際、従来のCDA試験の様に面接試験だけで2次試験が評価されていたら、厳しい結果になっていた方が結構いらっしゃったようです。

ですが、国家資格化の方針で、「今、実力があるか否か」という評価ではなく、「今後、研鑚によって実力をつける可能性があるか」という評価、つまり、スタートラインに立てるか、という試験ですので、論述試験を含めた総合点で評価されるのは理解出来ます。

ですから、論述試験は85%(43/50点)以上採る位の意気込みが欲しいですね。そうすると、面接試験に10点以上の余裕が出てきます。


作戦は、個々のご事情によって違うと思います。

まず、余り勉強や練習をしていないと言う方はしっかり準備してください。勉強不足ではやはり受かりにくいし、受かってしまったら、その先で停滞してしまいます。一度は学びに集中し、人間理解、自己理解、理論や手法に向き合ってください。

ある程度勉強を積んできて、今回残念だった方は、あまり考えすぎない様にしてください。冷静に振り返り、足りなかった点を突き止めてください。考えすぎると、良い面まで潰してしまうことがあります。

決して、自分を責めたり、追い込んだりしないでくださいね。キャリアコンサルタントとしては一番陥ってはいけない落とし穴です。もし、ひとりで抜け出せないようでしたら、信頼できる方に声を掛けてください。その一声を掛けることで救われることもありますし、学びの機会を得られるのではないかと思います。

実際のところ、相談者や事例によって難しさは違ってきます。受かり易い事例、受かりにくい事例は確かにあるようですから。

年に4回もある試験ですから、将来を見据えて、通過点の一つ、学びの場のひとつと考えてみることも大切なのではないかと思います。

(ご参考):『キャリコン実践研究会
『テキスト・サブテキスト』のお求めはこちら

「見晴らし台」にいるということ(第2回結果発表)

本日、第2回キャリアコンサルタント試験の結果が発表になりました。

実技試験の結果で言うと、
JCDA:59.4%(前回、51.5%、+7.9%)
協議会:74.3%(前回、71.6%、+2.7%)

両試験機関の差は14.9%(前回、20.1%)で多少縮まりましたが、2回続けてのこの差はどういうことなのでしょうね。どちらも同じ国家資格なのに・・・。

平均点を見てみますと、
JCDA:92.6点/150点、61.7%
協議会:96.9点/150点、64.6%
この差は、殆ど面接試験です。

受験者数は、
JCDA:1,569人
協議会:804人

統計学的視点から言うと、正規分布していることが考えられますので、JCDAは点数のバラツキが大きく、協議会は少ない、ということが言えるのではないかと思います。

つまり、JCDAは評価区分を細かく見ており、その結果、点数も上から下までばらついた?

協議会は、ある1点を重視してその点をクリア出来てるか否かで評価した? それも甘く評価したから高合格率となった?

あくまでも限られたデータからの推測にすぎませんので、いわゆる下駄履かせ等の操作が有った場合には見立ても崩れてしまいます。

いづれにしても、800人の母集団と1500人の母集団の比較ですから、受験者側にそう大きな違いがあるとは思えません。やはり、両試験機関側の考え方、やり方の違いと考えざるを得ませんね。

こうやって考えてくると、1~2回の結果を見る限り、協議会は易しく、JCDAは(比較上)難しい、ということになるのではないかと思います。

いつ、この是正が入るか? 次回かもしれませんし、暫く無いかもしれません。易しい試験で資格取得を目指すか、難しい試験にチャレンジし実力を磨くか、ご自身の判断になるのかと思います。

キャリコン実践研究会では、第3回向け講座から明確に、JCDAも協議会にも対応したメニューを用意し、両者の良い点を取り入れ、どんな変化にも備えようと思っています。

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残念ながら、不合格になった方もいらっしゃるかと思います。

実技試験は本当に水モノですので、原因分析は慎重に行わなければいけませんが、不合格は決して不名誉では無く、次に進む為の「見晴らし台」なのではないかと思います。

もう一度周りを見回し、自分の位置を確かめる、そして、目標を再確認する。その機会を持てるか持てないかで、この道の意味が大いに違ってくるのではないかと思います。

諦めなければ、必ず目標に到達できます。ですが、今は、どこかに迷い込んで、全く出口が見えない感じなのかもしれません。こういったことは人生に付き物です。

相談者は出口が見えない状態でご相談に見えます。キャリコンとして、あなたならどうしますか? その現場に、今、居る訳ですよね。一番大事な”自分”が今、苦しんでいる。ご自身にどう声を掛けますか?

眼をつぶって「見晴らし台」にたたずんでいる、そんな光景が浮かんできます。無理に眼を開けなくてもいいですよ。その代わり、耳を澄ましてみてください。何か聞こえませんか? 匂いを嗅いでみてください。皮膚で風を感じてみてください。五感で感じることが出来たら、何か変わってくるかもしれませんよ。

感じ取るということは、受け入れるということです。それが出来た時、本当の景色がみえてくるのではないかと思います。

第3回用「テキスト」(改訂版)

国家資格キャリアコンサルタント実技試験用 『 テキスト 』 の改訂が終わりましたので、本日午後から配信を開始したいと思います。

お申込頂いた皆様、そして、お申込しようと思っていらした皆様(?)、大変長らく、お待たせしました。

1回目の技能士を想定したテキストづくり、1回目の傾向を反映し、JCDAを意識した前回のテキスト作り、そして、今回は3回目となり、JCDA及びキャリア・コンサルティング協議会の2つの試験機関を意識したテキストになりました。

頁数が前回同様80頁を超えましたので、この点だけはこころ残りです。何とか50頁位にまとめられれば良いと思うのですが・・・。削ってしまうと、何か言い足りない気がして、ついつい誘惑に負けてしまいました。

内容は、両試験機関の共通する「基礎・基本事項=信頼関係の構築及び傾聴」に半分の紙面を使い、それぞれ重点とする「対策」に残りを割いています。

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改訂を終わって改めて思うのは、2つの試験機関の特徴です。

最初は、2つあるなんてなんということだ!と戸惑いましたが、今となっては、(怒られるかもしれませんが)奇妙な調和を感じています。2つがあって良かったのかもしれません。

内面を重視するJCDA、仕事を真正面から取り上げる協議会、片方だけではやはり不十分なのかもしれませんね。

キャリアに悩む、それはライフ・キャリアに迷うということですし、仕事という外部環境とのかかわりが大きく影響します。本当のご支援、そして、自分自身の成長を考えるならば、内面と外面の調和は車の両輪です。

受容・共感にはJCDAの内面の理解が役立ちます。終盤で展開に迷ったら協議会の目標・方策が役に立ちます。

両方学べて良かった!小さな声が聞こえてきますよ。

まずは、試験に合格することが目標ですが、ついでに学んじゃいましょう。そんな気持ちの遊びも必要かもしれませんね。テキストを通じて、さまざまな出会いがあることを楽しみにしています。

(ご参考)
キャリコン実践研究会
理論講座
 1月12日(木)、1月19日、1月26日
 いづれも木曜日の19時からで、今回はこの日程だけです。
 ご都合がつかない方はテキストをお求めください。
テキスト
ご自身のペースを大事にして下さい。

第3回キャリコン試験に向けて

国家資格キャリアコンサルタント試験、第3回。論述試験は来年2月19日、面接試験は2月末から3月上旬、2つの試験機関で行われます。(詳しくは各試験機関のホームページでご確認ください。)

年4回の開催が決まり、慌ただしくなってきました。特に次回は、間にお正月が入る為に、試験はすぐにやってくることでしょう。と言うことで、次回を目指して早目に(少なくとも年内には)スタートを切って頂ければと思います。

年末には第2回の合格発表がありますが、初受験の方であれば、それからでは遅いような気がします。再挑戦の方は間違いなく初受験の方より有利ですから、その差を埋める為には早くスタートすることですね。準備にかけた時間が多い程、合格の可能性は高まると思います。


実際、キャリコン実践研究会にも講座日程開示前からお問合せが入っています。また、開示後もお申込が続いています。中には、第2回の結果発表を待たずにお申込頂いた再受験の方もいらっしゃいます。

こうした早くから取組まれる方は、間違いなく心構えから違っていて、多くの学びにつながっていくことが、これまでの例からも明らかです。

今、合格につながる道は目の前に広がっている筈です。ですが、一歩踏み出す決意がなければ、それは遠い道になるかもしれません。まずは受験する環境に自分を置いてみてはいかがでしょうか。そして、基礎からしっかり身につけていく。それが最初にやることだと思います。

次回の受験で必勝を期すならば、準備に2~3カ月は必要だと思います。お仕事で相談業務をなさっている方、友達同士で何度も練習されている方、こうした方々は合格に近いと思われるかもしれませんが、われわれの経験からすると、クセを直す期間が必要になってくるようです。むしろ、未経験で、素直に学ぶ姿勢をお持ちの方が適切な指導を受けた時に、短期間で良い結果につながっている様な気がします。


では、われわれの方はどうかと言うと、誠に申し訳ございませんが、現在、最新の情報を取り入れてより良い講座にしようと、テキストやサブテキストの改訂に取り組んでいるところです。

また、遠隔地でひとりがんばっていらっしゃる方々に、テキストだけではなくサブテキストもご提供できないかと考えています。更に、申込フォームを変更したり、口頭試問講座も復活させようと。

この様に、準備の途中ですが、一部の講座で日程を開示し、募集を開始しましたので<ホームページ>を確認してください。

以上、第3回向け講座のスタートにあたり、改めて受験生の皆様と共に学びを深めていこうと気持ちを引き締めているところです。

面接の後で

第2回面接試験、お疲れ様でした。やりきった感じと、やり残した感じと、こもごもかと思います。中には、試験のことは思い出したくない、と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。

思い出したくない、お気持ちは十分、分かります。

でも、ここに学びがありますよ。

どうして思い出したくないんでしょう?

前回も書きましたが、ポイントは、「どうして『思い出したくない』と思っているか」なんですね。

「思い出したくないこと」に着目すると、出てくるのは自分の不甲斐なさ、情けなさであったりします。それを突き詰めていくと、自己否定までいってしまう。何の価値もない自分・・・。

落ち込みますね。自分の中で自分を責める声。昔はグレムリンと言ったり、インナーゲームではセルフ1と言ったりしました。

これでは、まるで、ストレスを抱えてお見えになる相談者と同じですね。では、キャリアコンサルタントだったらどうしますか?

弱音を吐いてどうするんですか!そんなことでは厳しい世の中やっていけませんよ! と、やったら失格ですね。キャリアコンサルタントとしては、相談者の主訴を理解し、共感してこそ、その役割を果たせることになります。冷静になって、客観的な視点で、「どうして、そのことを『問題』と思っているのか」と、意味に着目します。

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ご自分の中に「相談の場」を設けてみてください。

相談者は「試験を振り返りたくない」と思っているあなた自身。キャリアコンサルタントもあなた自身です。

紙と鉛筆を用意しましょう。そして、1時間だけ、静かなところで、お一人で、試験の振り返りを行ってください。

当日朝起きて、どんな状況だったのか、その時どんな気持だったのか、会場に向かう途中、会場に着いて、待合室で、試験会場の前で、中に入って、そして、始まって・・・と、順を追ってください。

こころが一番痛くなるところは見つかりましたか? それは何かのサインです。しっかり向き合ってください。眼をそらしたら「未消化」となって、後々まで響きます。今のうちに栄養に換えておきましょう。

振り返りによって、紙が埋まらなければ、そもそもお話が聴けてなかったということですね。傾聴の基礎からやり直す必要がありそうです。

平面的なお話の流れだけで終わっていたら、相談者と同じレベル。冷静で、客観的な洞察が出来なかったということになります。

ですが、第1回の傾向を見てみると、やはり基本である「傾聴」が合否の分かれ目になっているような気がします。面談は傾聴に始まり傾聴に終わる。その重要性を認識しつつ、ご自身の面接試験を是非、振り返り、紙面に残してください。合否に関わらず、きっと役に立つはずです。

いよいよですね。第2回面接試験

もういいでしょう。

最終講座を前に皆さんに申し上げていることは、これだけです。

ここまで、皆さんなりに研鑚を積んできました。ご自身の癖も分かってきたと思います。また15分間の流れもある程度イメージ出来、やらなければいけないこと、やってはいけないことも分かっていると思います。

さあ、最後の準備です。

それは、頭に入れたことを忘れること。そして、頭の中を空っぽにすること。それが一番大事です。

今日、明日は、全て忘れ、睡眠をしっかり。体調だけに集中してください。


本試験では何が起きるか分かりません。

それを、ああやってこうやってと考えると、”抵抗”が起きます。それが面談を難しくするんですね。

どんなお話になっても受け入れる、無条件の受容です。受け入れたら伝え返す。あれこれ言い換えず、相談者の言葉を丁寧に使いましょう。

ひとのこころが相手ですから100点なんてあり得ません。60点取れれば十分で、そんなゆとりが柔軟性を生み、相談者を受け入れることが可能になってきます。


「配偶者が良い返事をしてくれない」こんなご相談が有ったら、どうすれば良い返事してもらえるか、と問題解決に向かわないでくださいね。

大事なのは、「どうして配偶者が良い返事をしてくれないと思っているのか」です。引き出そうとしたら余計引っこんでしまいますよ。

温かい気持ちで受け入れ、ご本人にどうしてそう思っているのかを気づいてもらいましょう。そうすれば、相談者が自分で解決できますよ。きっと。

キャリアコンサルタントは問題を解決するのではなく、視点を提供するだけで十分なんですね。

では、
がんばりすぎないでくださいね。

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