2016年09月

国家資格キャリコン試験第1回合格者発表

国家資格キャリアコンサルタント試験の第一回合格者が発表されましたね。

(JCDA)
https://www.jcda-careerex.org/result.html

(キャリア・コンサルティング協議会)
https://www.career-shiken.org/result.html

CDA試験と違って、上記サイトで合格者の受験番号が確認できます。(併せて、受験者全員に合否通知書が送付されるようです。)

両機関を比べると、驚きの結果ですね。
(JCDA実技試験)
受験者数1,376名 合格者数709名 合格率51.5%

(キャリア・コンサルティング協議会実技試験)
受験者数1,000名 合格者数716名 合格率71.6%

合格者数はほぼ同じですから、ここら当たりがひとつの合意事項だったのでしょうか? その結果、受験者数に違いが有って、合格率の差につながっている?

2つの試験実施機関という特殊性でしょうか、評価区分も違っていて、別々の実技試験で、合格率が大きく違っている。

真剣に資格取得に取り組んでいる受験生としては、なんだか割り切れないものが残りますね。

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冷静に考えてみましょう。

ます、気になるのが、AかBかどっちが簡単だったんだろうということですね。単純に考えれば合格率が高い方が簡単、ということになりますが・・・。

内訳を見てみますと、
論述の平均点は、34.2と33.8( 50点満点)
面接の平均点は、54.3と62.6(100点満点)
ですから面接で差がついたことが明らかです。(但し、平均点は受験者の平均なのか合格者の平均なのか明記がないので断言はできません。ですが、恐らく受験者の平均だと思われます。)

また、経過措置対象者の合格率は、51.7%と69.2%で、このへんに合格率の差が現れているのでしょう。

とすると、JCDAでは、想定した技能士2級とは違った試験(従来のCDAに近い出題)への戸惑い? CDA合格率(40%程度)の踏襲? といったことが浮かんできます。

一方の協議会受験者は、技能士2級ベースの準備がある程度奏功したのではないか、従って、面接試験での戸惑いも少なかったと思いますし、技能士受験経験者も結構いらっしゃったのではないかと思います。

個々の合否やお話をお伺いした上で、もう少し分析したいと思いますが、発表された数字を見るとそんな感じがします。


では、次の第二回はどうなるのでしょうね。気になるところです。そして、試験機関側としても今回の結果からいろいろ調整してくるのではないかと思います。つまり、揺れ戻しが考えられますね。

まず考えられるのは、Aが簡単になって、Bが難しくなることですが、どちらで受けるにしても特徴を把握し、試験機関に合った準備をすることが大切かと思います。

※当会受講者の方は合否をお知らせください。

第一回論述試験(2)

第一回論述試験の設問2は、2つの事例の違いについて問うものでした。

8月23日のブログでは「支援の基本スタンス」を自己理解/仕事理解という面から捉えてみましたが、別の見方ができないか考えてみました。

そこで、もう一度厚生労働省の資料に目を通してみますと、”最も基本的で最も重要なことは「まず、人の話が聴ける」という相談者のスタンスであることは言うまでもありません”という文章に行き着きます。

このことからすると、『支援の基本スタンス=傾聴』という図式が成り立つのではないかと思います。

また、JCDAの合格基準/評価区分のひとつにも『傾聴』が挙げられていますので、基本としての『傾聴』は疑いの無いところでしょう。

では、『傾聴』を支援の基本スタンスと考えてみますと、2つの事例でどんな「違い」があるのでしょう。

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2つの事例の出だしはほぼ同じですね。ただ、「就職を考え直そうか」という相談に対して、「転職を考えているんですね」/「辞めて就職ですか」と双方とも多少早とちりをしており、十分に傾聴が出来ているとは言えないようです。

ひょっとして、試験問題として取り上げられている事例は、決して専門家の逐語ではなく、発展途上の受験者/合格者レベルの事例なのかもしれません。(余談ですが)

さて、その後の展開ですが、どちらも文脈に即した流れになっており、15分以降の展開を考えれば、ここまでは決して悪い展開ではないと思います。(勿論、JCDAと協議会では見解が分かれるかもしれません。)

そこで、事例の違いを探してみますと、「『辛い』という感情に対する応答」が挙げられそうです。
事例Ⅰ:「契約が取れないのは辛い」→「ずっとやらされているのですか?」と事柄や状況に着目。
事例Ⅱ:「辛い?」→「辛いと言うのはどういうことですか?」と意味に着目。
ということになるのではないかと思います。

ここで、事例Ⅰは質問で、Ⅱは問い掛けですね。

少し難しくなりますが、思索を促すあるいは意味を考えてもらうのが問い掛けと考えれば分かり易いと思います。

「問い掛け」までを含めた『傾聴』を考えるならば、ⅠとⅡでは傾聴の質の違いということが言えるかもしれません。詳しくは「講座」でご説明したいと思いますが、こんな見方もできるかと思います。


それにしても、2つの試験機関から2つの試験問題。そして、2つの採点。もし、別々の判断になっていたら・・・。もし、相互に問題を交換し、採点してみたら・・・。と改めていろいろ考えさせられます。

ん・・・、2つの試験機関は本当に独自の試験をやっているのでしょうか。最低限の合意事項といったものは無いのでしょうか。もう少し考えてみたいと思います。

キャリコン実践研究会

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