第一回論述試験の設問2は、2つの事例の違いについて問うものでした。

8月23日のブログでは「支援の基本スタンス」を自己理解/仕事理解という面から捉えてみましたが、別の見方ができないか考えてみました。

そこで、もう一度厚生労働省の資料に目を通してみますと、”最も基本的で最も重要なことは「まず、人の話が聴ける」という相談者のスタンスであることは言うまでもありません”という文章に行き着きます。

このことからすると、『支援の基本スタンス=傾聴』という図式が成り立つのではないかと思います。

また、JCDAの合格基準/評価区分のひとつにも『傾聴』が挙げられていますので、基本としての『傾聴』は疑いの無いところでしょう。

では、『傾聴』を支援の基本スタンスと考えてみますと、2つの事例でどんな「違い」があるのでしょう。

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2つの事例の出だしはほぼ同じですね。ただ、「就職を考え直そうか」という相談に対して、「転職を考えているんですね」/「辞めて就職ですか」と双方とも多少早とちりをしており、十分に傾聴が出来ているとは言えないようです。

ひょっとして、試験問題として取り上げられている事例は、決して専門家の逐語ではなく、発展途上の受験者/合格者レベルの事例なのかもしれません。(余談ですが)

さて、その後の展開ですが、どちらも文脈に即した流れになっており、15分以降の展開を考えれば、ここまでは決して悪い展開ではないと思います。(勿論、JCDAと協議会では見解が分かれるかもしれません。)

そこで、事例の違いを探してみますと、「『辛い』という感情に対する応答」が挙げられそうです。
事例Ⅰ:「契約が取れないのは辛い」→「ずっとやらされているのですか?」と事柄や状況に着目。
事例Ⅱ:「辛い?」→「辛いと言うのはどういうことですか?」と意味に着目。
ということになるのではないかと思います。

ここで、事例Ⅰは質問で、Ⅱは問い掛けですね。

少し難しくなりますが、思索を促すあるいは意味を考えてもらうのが問い掛けと考えれば分かり易いと思います。

「問い掛け」までを含めた『傾聴』を考えるならば、ⅠとⅡでは傾聴の質の違いということが言えるかもしれません。詳しくは「講座」でご説明したいと思いますが、こんな見方もできるかと思います。


それにしても、2つの試験機関から2つの試験問題。そして、2つの採点。もし、別々の判断になっていたら・・・。もし、相互に問題を交換し、採点してみたら・・・。と改めていろいろ考えさせられます。

ん・・・、2つの試験機関は本当に独自の試験をやっているのでしょうか。最低限の合意事項といったものは無いのでしょうか。もう少し考えてみたいと思います。

キャリコン実践研究会