第3回の試験結果が発表となって、受講生の方からもいろいろとご連絡いただくようになりました。
まず、合格率や平均点等を見ますと、3回目となり、やっと落ち着いてきたかなという印象です。
かつて、70%を超えた異常なる合格率は影を潜め、60%台という妥当なレベルになってきました。また、2つの試験実施機関で20%もあった合格率の差も、ここに来て3~4%に縮まっています。
過去問の分析は受験生にとって必須事項ですから、キャリコン実践研究会でも「論述基礎講座」や「サブテキスト」あるいは「過去問分析資料」に反映していますが、それぞれの実施機関の特徴も見えてきたような気がします。
また、それは面接試験へのガイドラインとなっているようですから、過去問分析から始めてしっかり論述対策をやるのは、面接試験対策にもなるということですね。ですから、論述試験と面接試験は表裏一体となっていて「実技試験」と言われる所以だと思います。
どちらで受験するか、という点も受験生としては大きな課題ですね。
JCDAはカウンセリング面に強く、心情や現状のみならず、背景や内面まで対象を広げ、こころや認知といった心理面から真の問題に向き合っていくアプローチをとります。
実際、クライエントと個室でお話していくと、こころの持ち様が問題となってくることもありますので、そうした背景を捉えた心情面の理解が不可欠となります。
一方のキャリア・コンサルティング協議会の方は、JCDAに比べると、ガイダンスやコンサルティング的な色彩が濃く、個室での面談というよりは窓口での対応力を重視しているようです。
つまり、仕事に就きたい、転職したいというクライエントに対し、自己理解、仕事理解の両面から適職に導いていく、情報提供していくというアプローチです。
そこで、どちらで受験するか、ということですが、まず第一に、どちらで学んだか、ということですね。2カ月先の受験を考えた場合、「乗換」は危険です。
もし、これから数回先の受験を目指して新たに勉強を始めたいという方であれば、上記特徴を参考にしてください。
それで、上記特徴を考えた場合、窓口経験(公共機関、大学、企業等)があり、労働市場(求人・求職)の情報に詳しい人は協議会が有利だと思います。(協議会で受験される方はこの点の情報収集を日頃からやっておいてください。)
一方で、窓口経験が少ない方は、基本から学ぶという意味でJCDAから入っていく、受験する、資格を取る、実践力を磨くというご自身のキャリアパスを考えてみるといいかと思います。
但し、受験機関を選ぶのに、公式はないと思います。
それこそ、自己理解と対象理解(試験、仕事、環境等)の両輪が必要です。また、両試験機関に共通した基礎・基本がありますので、その点の理解と習得は不可欠です。
頂いたお便りを拝見していると、それぞれのご事情を抱えながら、それぞれがんばって来られたんだなという想いを新たにします。
しかし、結果は右にも左にも出る。中には1点で!、と言う方もいらっしゃいます。
ん~、1点! キャリアコンサルティングに長年かかわってきますと、ついつい「意味」を考えてしまいますね。職業病でしょうか。その方にとっての合格の意味、不合格の意味。今、ここでの意味。長い人生の中での意味・・・。
答は出ませんが、考え続けることに、この試験に向き合っている「意味」があるような気がします。